旭区・瀬谷区 コラム
公開日:2025.12.18
ドバト文:山村卓也(瀬谷環境ネット)写真:中村多加夫(同)
瀬谷の生き物だより 191
ドバトは神社やお寺で飼われていたので、「堂鳩」が語源といわれる。地中海沿岸や西アジアに分布していた野生のカワラバトを、観賞用や食用、通信用として改良し利用してきた。エジプトでは紀元前三千年前から、日本でも奈良時代から飼われていた記録が残っている。ドバトの羽の模様は色々であるが、灰色に2本の黒線が入る「灰二引」がカワラバトの原種に近いようだ。
ハトは日本では古来戦闘の神「八幡宮」の使いであった。源氏の守護神として、鶴岡八幡宮は特に有名である。しかし「ノアの箱舟」伝説やハト好きなピカソ絵画の影響で、今では逆にハトは平和のシンボルとなっている。
ハト類は、哺乳類以外では珍しくミルクで子育てをする。ミルクといっても素嚢(そのう)から分泌される高カロリーの流動食である。「ピジョンミルク」と呼ばれ、メスもオスも出せるので、年に4、5回の繁殖が可能となる。
駅前や公園にドバトは常に群れているが、近年の衛生指向により給餌する人が減り、ドバトの数は減少している。
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