区内川島町に現存する「馬頭観音」と、実在した一人の女性をモデルとした紙芝居がこのほど完成。題名は「サッちゃんの馬頭観音」で、5月10日には地域ゆかりの作品として笠町内会会員らに披露された。
作品は約70年前を舞台に、現在の旭区川島町で暮らした小磯サツさんと馬頭観音にスポットを当てたもの。馬頭観音は1787年の建立とされ、現在は川島町の椚谷(くぬぎやと)公園近くに位置する。この馬頭観音の世話をしていたサツさんに馬頭観音が乗り移り、占いのようにほかの人には分からないことを次々と当てていったという話が地元で言い伝えられており、今作はこの話をもとに制作された。
制作はモデルとなったサツさんの孫にあたる川島町在住の小磯守さんと、オリジナル紙芝居を作る団体「『ほどがや』えかたり〜べ」の篠崎顕一代表が知り合いだったことから昨年10月頃よりスタート。同団体は旭区や保土ケ谷区の民話・昔話をもとに紙芝居を制作し、各地で口演している。今作は小磯さんや言い伝えを知る近隣住民らへの取材、過去の資料などをもとに進められ、半年ほどで完成した。篠崎代表は「言い伝えぐらいしか情報がない中、小磯さんをはじめさまざまな方々の協力があったからこそ完成できた」と話す。
「一生の財産に」
完成を記念し、10日には笠町内会の会館で作品を上演。作品を手掛けた同団体の工藤美代子さんが、町内会員や近隣施設の関係者など40人以上に向けて口演した。
小磯さんは「自分が6、7歳の頃に見た祖母の顔と作品の絵がよく似ていた。作品にしてもらい、一生の財産になった」と笑顔。作品は小学校への寄贈なども検討し、今後は希望に応じて地域で上演も行う予定だという。
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