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旭区・瀬谷区 人物風土記

公開日:2020.11.19

「電子顕微鏡でミクロを観る会」の代表を務める
惣田 昱夫(そうた いくお)さん
若葉台在住 75歳

ミクロの世界を身近に



 ○…東京工業大学から電子顕微鏡を譲り受けたことをきっかけに、2016年に発足した「電子顕微鏡でミクロを観る会」。若葉台で暮らす元大学教授らが集まり、旧若葉台西中学校を拠点に顕微鏡を生かした体験や講座を企画している。「普段はなかなか見ることのできないミクロの世界を知ってほしい」。大人はもちろん、小中学生たちとも一緒に楽しく学ぶ機会を作っている。



 ○…静岡理工科大学の元教授。農学博士で、微生物の力を発見して応用する応用微生物や、環境工学を専攻。もともとは神奈川県の衛生研究所や環境科学センターなどで勤務し、同センターに在籍していた1993年には、酸性土壌の改善につながる「酸・アルミニウム耐性菌」を世界で初めて発見した。「微生物というと何か悪いものに思われがち。実際は食物の発酵や薬を作るなど、私たちの生活を助けることも多い」。定年後には地域とのつながりから会に携わり、知見を生かして活動を牽引してきた。



 ○…若葉台には結婚を機に移り住み、30年以上が経つ。当時は若葉台になかった学童保育を作るために奔走したのが地域活動の発端。自身も2人の子どもがいる身で「共働きで困っている人も多かったから」と、実現に向けて住民らへ協力を呼び掛けて回った。「仕事であまり地域にいた訳ではないけど、そこで地域との関係ができた」と振り返り、現在の活動にもつながっている。



 ○…これから一層力を入れたいのは、子どもたち向けの活動。会のメンバーなど若葉台に多くいる専門に学んだ人材や顕微鏡などの設備を生かし、「理科の面白さを伝えて、理科離れを食い止められたら」。今後もミクロの世界を間近で見せ、理科の楽しさを伝えていく。

 

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