発泡スチロールの代用に利用 四つ葉は幸福「シロツメクサ」 日本自然保護協会自然観察指導員 金子昇(富岡西在住)
子どもの頃、「シロツメクサ」(クローバー)の花を集めて花輪を作ったり、幸せを呼ぶと言われる「四つ葉のクローバー」を夢中になって探したりした経験は誰もが持っています。
白い球形の花は、たくさんの花の集まりで、よく見ると中央の花は蕾、外側の花は咲き終わっていて、その間の花が開花しています。このようにこれから咲く花、咲いている花、咲き終わった花が同居していることで、長い期間花を目立たせて、花粉の媒介者ミツバチを呼び寄せているのです。
ミツバチは足で花弁を押し下げて、蜜がある所への通路を開くことができます。この押し下げる力を持たないハチやアブは蜜にありつけません。ミツバチは苦労してこの方法を覚えたため、同じ花に集中して訪れることができます。シロツメクサはこうして他の花へと「浮気」をしないミツバチを選んだのかもしれません。
幸せを招く四つ葉のクローバーのいわれは、昔アイルランドのセント・パトリックという聖人が、クローバーの三つ葉を用いて「愛、希望、信仰」の三位一体にたとえました。すると一人の信者が、四つ葉のクローバーを持ってきたので、すかさず「四つ目は幸福で、これを見つけた人は幸せが訪れます」と説いたといいます。
ヨーロッパ原産のシロツメクサの由来は、江戸時代オランダからガラス製品等が日本へ送られて来た時、乾燥したこの葉をクッション代わりに箱へ詰めてきたため命名されました。
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