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磯子区 人物風土記

公開日:2011.06.30

7月に開催される極真空手のワールドカップに出場する
井上 正志さん
杉田在住 

「勇往邁進」で世界へ



 ○…「押忍(おす)!」。子ども達の元気な声が道場内に響く。極真空手「横浜港南台道場」で指導を続けながら、昨年の全日本ウェイト制大会で優勝し、7月6日にカザフスタンのアスタナで行われるワールドカップに中量級の日本代表として出場する。



 ○…「自分を変えたい。強い人間になりたい」。おとなしく、気の弱かった少年は、中学生で伝統空手を学び始める。強さへの憧れは増し、高校生で直接打撃を旨とする極真会館の門を叩くと、全国大会で活躍するまでに。しかし、将来を渇望される成績を収めながらも生まれ育った高知県を出て就職のために上京すると、道場から足が遠のくように。それでも思い出すのは試合に勝った時の充実感。「中途半端に終わって後悔したくない。どうしてもやりたい」。現役に復帰し、仕事をしながら稽古。10年前に道場を開いてからは、道場生への指導とともに、空手家として自身を高めてきた。



 ○…空手の魅力は稽古をすれば必ず結果が付いてくることだという。身長は165cmと、世界を相手に戦うには小柄な身体だが、それを人一倍の努力でカバーしてきた。「だからこそ、子ども達に努力の大切さを伝えたい」。子ども達への指導は自然と熱を帯び、子ども達が試合に勝てば、自分のことのように喜んでしまう。一方で、自分の試合は子ども達の応援が何より力になる。「先生の立場上、負けられないですよね。プレッシャーですけれど」と笑いながらも落ち着いた口調で「ワールドカップでも優勝を狙いたい」と抱負を語る。



 ○…世界で戦うのは3回目。現在は道場でミット打ちやスパーリングなどの稽古に明け暮れる日々。その道場内に掲げられている言葉が「勇往邁進(ゆうおうまいしん)」。恐れることなく、自分の目標に向かってひたすら前進すること。努力を重んじてきた自分が、子ども達にずっと伝えてきた言葉だ。日の丸を背負い、子ども達に「勇往邁進」を見せるために、いざ、カザフスタンへ。

 

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