人々を魅了するパワフルさ



　○…ゴスペル歌手として紅白歌合戦にバックコーラスで出場するなど多方面で活躍する傍ら、杉田地区センターでの体験イベントや新杉田ケアプラザでのサークルの指導など、地域でも活動の輪を広げている。「６年前に横浜に引っ越してきてから、地域でなにかできたらと思って。特に小さい子どものいる人が気軽に参加できるゴスペルサークルは、ぜひ作りたかった。子どもがいて活動を諦めてしまう方も多いので」



　〇…プロの歌手をめざして活動していた20代。コンプレックスとの葛藤の中で出会ったのが、ゴスペルだった。「太っている自分の体形が、格好悪いと思っていたんです。そんなときテレビで、太っている人が格好良くゴスペルを歌っている姿を見て、これだと」。その人が有名なゴスペル歌手、亀渕友香さんと分かると、すぐに彼女の事務所のオーディションを受け、合格。グループの一員となり、ゴスペル歌手としての人生をスタートさせた。



　〇…秋田県出身。小さいころは女の子らしいといわれる遊びは一切せず、男の子たちと野山を駆け回った。中学では陸上部で砲丸投げの選手、高校ではフェンシング部に入部した。「秋田は強豪校揃いなんですけど、うちの高校はその中でも顧問がスパルタでした。入部した同級生30人のうち、１年後に残ったのは私だけでしたから」と、苦笑い。そして、「あの厳しいときを体験したからこそ、その後の苦しい時やどん底のときにも頑張れたと思うんですよ」。少し目を細め、懐かしそうに振り返る。



　〇…休みの日の過ごし方をたずねると、「自転車によく乗っていますね。走っているときにほどよく受ける、あの風が好きなんです」と、にっこり。座右の銘は「人間万事塞翁が馬」。「死ぬときに、私の人生最高だったと思いたいんです。そのためには、常に動き続けていかないと」。そのパワフルさこそが、多くの人を魅了する源なのだろう。