磯子区役所会議室で9月7日、WBC(世界ボクシング評議会)フライ級チャンピオンである八重樫東選手が講師となり、子育応援講演会が行われた。
主催する区こども家庭支援課の早乙女誠一郎課長が、八重樫選手と同じジムでトレーニングをしているつながりで、出演が実現した。
登壇した八重樫選手は冒頭、「今日の子育て講演会に合わせるようにちょうど今朝、3人目が生まれました」と告白。会場から大きな拍手が贈られた。
はじめに、近所の子どもたちからも恐れられるほどパワフルでスパルタだった母親について説明。よくげんこつで叩かれたと言い、「あるとき、とても悪いことをやったときは足にローキックされ、人生初のダウンを取られました」と話すと、観客からは笑い声が起こった。
そして、叱る際に手を出すことが必ずしもいいとは思わないとしながらも、本当にいけないことをやったときはしっかり叱るべきとし、「母からの痛みはありがたかった。それがなければ、私は悪いことをする、ずる賢い大人になっていたと思う」と振り返った。
自身の子育てについては、とても厳しく、怒るべきときはしっかり怒っていると分析。その一方で、過去4連敗だった前チャンピオンとのタイトルマッチを前に不安で練習に集中できず、息子にふと愚痴を漏らした際、「勝てるときは勝てる」と言われ、開き直って世界戦に臨めたエピソードを披露。「子どもから教わったこととして、このときのことは一生忘れない。親だから子だからという立場だけでなく、人として常に心を開いて耳を傾けることが互いに大切だと思う」と、思いを熱く語った。
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