岡村中学校3年の野澤一樹君(滝頭在住)がこのほど、社会福祉法人 全国手話研修センター主催の第9回全国手話検定試験1級を、最年少の15歳で取得した。野澤君は、手話を学んだ経験を活かし「手話を広め、ろう者への差別や偏見を減らしていければ」と話す。
野澤君が手話を学び始めたきっかけは、小学3年生のとき、母親が通う手話サークルの子ども向け体験教室に参加したこと。ろう者と話せる手話の魅力に引き込まれ、「もっとコミュニケーションが取れるようになりたい」と、翌年初めて検定試験の5級に挑戦した。毎年1級ずつレベルアップを図り、昨年10月、1級試験を受験した。
全国手話検定試験は、手話の母語話者であるろう者が主体となって、年に一度開催している検定。1級では、聴覚障害者の暮らしや法・福祉制度などへの理解と「あらゆる話題について、よどみなく会話できるかどうか」を、筆記試験と実技試験で判断する。
野澤君は、高校受験に向けた勉強と検定試験に向けた手話の勉強を両立。「面接では緊張して慌てた部分もあったが、筆記は勉強の成果を発揮できた」と手応えを感じていた。手話を言語の一つとし、普及を図っていく「手話言語法」をテーマとした小論文では、ろう者が生活の中で不便に感じていることや、差別・偏見について挙げながら、手話を知らない人に手話を広めていくことの大切さを論じたという。
最年少での1級合格に「あまり実感はなかった」と話すも、主催団体理事長から祝いの言葉が書かれた手話の本が届くと「少し実感がわいた」と笑顔。野澤君は「今後は手話を知らない人に手話という言語を広めていければ。これからも勉強を続け、将来も手話を役立てながら働きたい」と話している。
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