磯子区 人物風土記
公開日:2015.02.19
旧柳下邸で21日から雛つるし飾り教室の作品展を行う
橋本 房枝さん
金沢区在住 68歳
人の縁が繋いだつるし雛
○…旧柳下邸で現在催されている雛まつり展示。21日からは、自身が旧柳下邸で主宰するつるし雛教室の生徒たちが作った作品が飾られる。近年、化繊を使った雛人形も多い中、明治や大正、昭和の古布にこだわった手作り作品は、見学者からも好評だという。「同じ手間を掛けるなら、より良いものを作ってもらいたいですから」。静かな語り口も、人形作りへの強い思いが垣間見える。
○…雛つるし飾りづくりとの出会いは10年ほど前。友人が作っているのを見て、強い衝撃を受けた。「私も作りたいという気持ちになって。もうひと目惚れでしたね」と笑顔を見せる。友人に教わった後は、次々と沸き起こる創作意欲に突き動かされ、独学で勉強を続けた。旧柳下邸での展示は7年前から。別の友人から旧柳下邸で雛まつりが開催されていることを聞き、自身の作品も飾ってもらえるよう直談判に行った。現在では毎年教室を開き、生徒の作品などを展示している。「その友人には今でも会うたびに、『あなたのおかげよ』と言ってます」
○…東京・大田区出身。外で遊ぶよりも、家で本を読んだり縫物をしたりするのが好きな子だった。「余った布をもらって、いろいろ縫ってましたね」と、懐かしそうに目を細める。高校卒業後就職し、23歳で結婚。転勤族だった夫とともに、群馬や岡山、広島へと移り、25年前、金沢動物園近くに居を構えた。
○…2人の娘が独立し、夫婦暮らしになったのを機に、駅に近い現在のマンションへ。趣味は刺繍と週3回通う水泳。泳いだ後は、同じスクールの友人たちとのランチも楽しむ。3つの教室を主宰するほか、並木のビアレヨコハマで年2回の展示即売会を開き、ウェブショップで販売を行うなど、活動は精力的だ。「実は、最初につるし飾りを教えてくれたのも、水泳の友達だったんですよ」。人との縁を大切に、日々、つるし雛づくりと向き合う。
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