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磯子区 人物風土記

公開日:2015.09.10

女性消火隊の隊長として岡村地区の防災活動に取り組む
粳間(うるま) 美知枝さん
岡村在住 65歳

岡村守る女性隊長

 ○…「任命式の放水演技、ちゃんと水が出てよかった」。女性消火隊の隊長として、ホッと胸を撫で下ろす。平日昼間などに大地震が発生した際、木密地の延焼火災を防ぐ初期消火を担う。ポンプを扱った経験のない女性たちが努力して形にした演技。重ねた訓練の成果に笑顔がこぼれる。

 ○…2001年、町内会の集まりで夫がくじを当てたことから町内会デビュー。「救命技術が身に付くなら」と翌年から家庭防災員の活動に参加し、今では岡村地区の代表に。会員を増やすため推薦書を作ったり、防災意識の向上に避難所運営訓練ゲームを取り入れたりと、独自の啓発に取り組む。女性消火隊の打診には「安請け合いできない」と首を横に振るも、熱心な説得に「いざという時地域にいるのは女性の私たち」と協力。隊員集めに奔走する。和気あいあいとした訓練の雰囲気は女性ならでは。「みんな優しく、いつも助けてくれる」。部隊を気にかける男性陣も顔を出すなど、温かな地域の支えが原動力だ。

 ○…南区で生まれるも、父親の仕事の関係で、館林や水戸など、引っ越しを繰り返す。子どものころは男の子にも負けない「口達者な女の子」で、友達の間でもリーダー的存在だった。参加していた社会人サークルを通じて知り合った夫とは27歳で結婚。虫好きな息子と一緒にカブトムシを育てたり、カマキリが一斉に孵化して大変な思いをしたり「子育てはとっても楽しかった」。家族との思い出を語る笑顔がまぶしい。

 ○…最近は母親の介護で忙しい日々。「大好きなミッキーマウスに会いにディズニーへ行けなくて残念」と肩を落とすも、次々とやってくる町内会の行事がリフレッシュに。女性消火隊は「上手く機能すれば画期的な取り組み」。実際に女性だけでポンプを運べるかなど課題もあるが「色々な意見を聞いてより良い取り組みにしていければ」。生まれたばかりの部隊を地域とともに育てていく。

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