(株)IHI(斎藤保社長)=本社・東京都江東区=では、津波襲来時の避難手段の一つとして2013年に開発した「津波救命艇」を改良し、11月11日に同社横浜事業所(新中原町)で報道陣向けに試作艇を公開した。
津波救命艇は、11年に発生した東日本大震災による甚大な津波被害を受け、国土交通省四国運輸局からの委託で同社が開発・製造したもの。津波襲来時に乗り込み、船が波の上に浮上することで身を守る仕組みとなっている。津波の襲来が予想されるも、高台が近くにない場所や急いで避難することが難しい高齢者などが多くいる場所の配備を想定し、これまで、民間企業や福祉施設へ3艇納入している。
改良版の救命艇は定員25人、長さ9・5m、幅3・5m、高さ3mで、従来型より一回り大きいサイズ。安全性を高めるため衝撃耐性や難燃性を強化し、船内の座席には新開発のシートベルトなどを導入した。漂流しても一週間は内部での生活が可能なように、備蓄品やトイレ、多目的スペースも整備。救援要請ができる通信装置も搭載している。
同社社会基盤セクターレジリエンスプロジェクト部の出町哲也部長は「国交省の津波救命艇ガイドラインが定める基準を満たし、自社で設定した安全基準も満たした。救命艇にも様々なものがあるが改良版は”安全”を追求した製品」と説明する。今後、積極的な製品のPRを進め、同社の防災関連事業も推進していく。
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