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磯子区 人物風土記

公開日:2016.08.25

シンガーソングライターとしてNHKEテレ「はなかっぱ」のエンディングテーマを歌う
柿島 伸次さん
都筑区在住 50歳

音のひびきでこころ躍らせ

 ○…陽気なカントリーの曲に、トマトから始まる野菜しりとりの歌。作詞作曲に編曲、歌まで担当した『とまとっと…?とうがらし〜やさいしりとり〜』が、人気アニメ「はなかっぱ」のエンディングを飾っている。「子どものしりとりをイメージしたら、まずは絶対にトマトだと思った。『モロヘイヤ』は変な言葉をと思って入れました」。1つひとつの響きにこだわった言葉を、これまで磨き続けてきたサウンドにのせている。

 ○…27歳で「最初の」メジャーデビューを果たした。アメリカンロックを中心にシングル4枚、アルバム4枚を制作するも、「当時はミリオンセラーの時代。売上5万枚では採算が取れなかったんだと思う」。クビを言い渡されたのは30歳の時。娘が生まれる1日前の出来事だった。「もうとにかく音楽で稼ぐことに必死だった」。活動の幅を広げ、編曲やアニメへの楽曲提供なども手がけるようになった。大事にし続けた思いは「1つひとつの曲を印象的に面白く仕上げたい。求められたものに応えるだけじゃなく、何か驚いてもらえるように」。その真摯な姿勢が、次の依頼につながった。

 ○…港南区出身。幼稚園のころは「おちゃらけしんちゃん」と呼ばれるほど「いつもふざけていた」。中学3年で役者を志して劇団に入り、ドラマ「金八先生」にエキストラ出演したほか「スクールウォーズ」では生徒役も演じた。だがそれよりも熱くなれたのは、仲間とバンドで出演したライブハウスのステージだった。「5分間の中で1つの世界観を表現できる。7曲なら7つのストーリーを。音楽のそんなところが自分には合っていたのかな」

 ○…ある時、都内の地下鉄ですれ違った子どもが、自分の歌を口ずさんでいたのを耳にした。「僕のことを知らなくても、僕の曲で喜んでくれる人がいるならうれしい」。小さな部屋から生まれる数々のメロディーが、今日もどこかで誰かに笑顔を届けている。

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