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保土ケ谷区版 公開:2020年1月1日 エリアトップへ

舞台俳優が防犯演劇 臨場感溢れる演技で注意呼びかけ

社会

公開:2020年1月1日

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ボンジュールカフェで行われたイベントで防犯劇を披露するはださん(写真中央)
ボンジュールカフェで行われたイベントで防犯劇を披露するはださん(写真中央)

 舞台俳優として活躍するはだ一朗さんらが12月中旬、釜台町の「ボンジュールカフェ」で防犯演劇を披露した。

 2018年には日本全国で約364億円の被害が発生し、神奈川県内では過去最悪の約58億円を記録。その約半分が横浜市内での被害だった特殊詐欺は、犯人がさまざまな役を「演じる」ことで被害者は騙されてしまう。役者として演技が悪用されることに強い憤りを覚え、始めたのが防犯演劇だった。

 舞台は、はださん演じる刑事と先輩刑事が特殊詐欺事件の調査を進める過程でもがき苦しみ葛藤する姿が描かれている。徹底した取材に基づき構成された臨場感に溢れる舞台は終盤、高齢者宅に犯人から入電。はださん演じる刑事が「この思いを伝えに行こう」と思いを巡らすと場面は転換し、実際に防犯劇を鑑賞しているボンジュールカフェに駆け込んできた。

 ここからは2人の刑事が来場者を巻き込みながら「固定電話をとらない」「他人事だと思わない」「お金が絡む内容は一旦切って相談する」といった騙されないためのポイントを説き、注意を呼び掛けた。

 ▽高齢者を狙う「特殊詐欺」を防犯演劇による啓発活動で防ごうと、一昨年秋に任意団体「表現のチカラ」を発足。これまで青葉区や中区、旭区などで自らが出演する防犯演劇とワークショップを行ってきた。「市内全18区で実施する」という目標達成に向け、昨年5月から8月にはインターネット上で公演資金を募る取組みも実施。50人以上の支援を得て目標額を達成した。「仲間を増やし持続可能な活動にしなければ」--。決意を語る表情には少し緊張もにじむ。

 ▽特殊詐欺を知ったのは、演劇ユニット「PROJECT一照(いってる)」として大阪で活動している時。犯罪者が演劇の手法を用いて高齢者を欺く事実に衝撃を受けると同時に、表現者として強い怒りも覚えた。「プロが”なんちゃって表現者”に負ける訳にいかない」。使命感に駆られ、ユニットで防犯演劇をスタート。大阪府警の協力も得て、大阪各地で公演を重ねてきた。

 ▽自宅のある神奈川での特殊詐欺被害は大阪を超えるが、仲間や会場、認知不足など活動の展開には壁を感じる日々だ。目標は多様な表現者を集め、社会問題にアプローチする団体に成長させること。「日本での表現者の社会的地位も上げていきたい」。今はさまざまな施設を回り、関係作りとPRに奔走している。

 ▽23歳の時に観劇好きの彼女と観た野田秀樹氏の作品『贋作 罪と罰』に号泣した。勢いで「劇団☆新感線」のオーディションを受け、合格。就職後間もなかったが、脱サラして入団した。退団後は、新たな場で数々の舞台を制作し看板俳優として出演してきたが、周囲の評価を気にしすぎて自信を持てない苦しい時期も続いた。「表現のチカラの活動は一つの転機。自分自身も成長できたら」。表現者として新たな一歩を踏み出した。

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