「救急の日」特別企画 「断らない救急」を実践する川崎幸病院の職員が語る 企画/社会医療法人財団石心会
2012年に川崎市から「川崎市重症患者救急対応病院」に指定され、地域の基幹病院として重要な役割を担う川崎幸病院。「断らない救急」を実践し、365日24時間体制で地域住民の生命を守っている。その現場で働く後藤学医師、吉村まり子看護師、大橋聖子救急救命士が取り組みや問題点などについて語った。
――川崎幸病院の救急に対する取り組みについてお聞かせ下さい。
後藤 当病院では、「すべての患者さんのために、断らない医療を実践する」ことに職員一同が一丸となって取り組んでいます。救急車で搬送されてくる患者さんはもちろん、急病で歩いて来られる方も多く受け入れています。特に救急車の受け入れ台数はここ2年で年間1万台に迫るペースで増加しておりますが、入院用のベッドが空いていない場合でも、まずは人命の救助を最優先にして受け入れ、初療を行い、他病院へ搬送するなどして対応しています。
――救急救命士が起用されているとお伺いしましたが、どのような狙いがあるのですか。
大橋 全国の病院に先駆けて当院では、救急救命士が起用されており、救急車の受け入れや他病院への搬送などのコーディネイトを行っています。救急車受け入れ要請で救急隊員からの電話に医師が対応すると、その間治療が難しくなりますので、治療に専念してもらえるように、専門知識を持つ救急救命士が医師と救急隊員との間に入って、電話対応も行っています。高齢化が進み、今後も救急車の出場件数の増加が考えられることから私たちの必要性を感じています。今後、防災・災害対策活動、心肺蘇生法の教育活動、イベントでの救護活動等にも取り組んでいきたいと考えています。
――災害時の救急処置には限界があると思います。市民の方にどのようなことをお願いしたいですか。
吉村 そうですね。やはり大きな災害があった場合には、私たち医療従事者や行政の力だけでは全ての命を助けることはできません。当院では、大災害を想定した訓練を繰り返し、備えていますが、やはり地域の皆様の力が重要になります。最近では各消防署や病院、地域などでAEDの使い方講習会や心肺蘇生法の講習会などを開いています。ぜひそうしたものに1度は参加してみて下さい。方法や手法を知っているだけで、いざという時の対応は大きく変わってきます。この救急の日で少しでも救急医療のことを考えるきっかけにしていただけたら幸いです。
川崎幸病院では9・9(救急)の日に合わせて、吉村看護師が救急をテーマにした講習会をミューザ川崎で行います。どなたでも無料で参加できますので、ぜひご来場下さい。
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