川崎市はこのほど、鶴見川に架かる末吉橋の架け替え工事を、対岸の横浜市と共同事業で行うと発表した。事業主体は、横浜市で事業費は両市で半分ずつ負担して行う。来年度から調査・設計を進め、2017年度からの着工を目指す。
鶴見川に架かる末吉橋は、小倉5丁目と横浜市鶴見区を結ぶ橋として、南加瀬側から鶴見区に抜ける上り線が1950年に、鶴見区からの南加瀬に抜ける下り線が64年に架設した。長さ約107mで、4・5mの車道と、1・5mの歩道がそれぞれ2本通る。いずれも50年以上が経過し、橋脚部の鉄筋露出や漏水による継手部の腐食など老朽化が懸念されていた。
両市では、共同事業として架け替えを行うことを確認。2月18日に基本協定を締結した。事業主体は横浜市となり、事業費を両市で半分ずつ負担することなどが決まった。今後は、来年度から調査・基本設計に入り、16年度に詳細設計。17年度から工事着手を目指すとしている。
また末吉橋周辺道路においては、慢性的な渋滞が発生しており、特に末吉橋手前の交差点では尻手側から左折して橋を渡る際の最大渋滞長は460m、南加瀬側の右折待ちの車は100m以上になることがあるなど課題もある。架け替えを機に交差点の改良を、道路管理者を交えて協議し、周辺道路の信号機などの調節を行いながら、渋滞緩和も検討していくとしている。
横浜市道路局によると、現時点での架け替え後のイメージは、耐震性の強化、歩道の拡幅、橋脚の本数を減らし、大雨時のスムーズな川の流れを確保して洪水のリスク軽減を図るなどを挙げ、現状抱える課題を解決したい考えだ。
期待と不安混じる
近くで生活道路として使っているという周辺に住む主婦は「歩道が狭く大型トラックなども通るので、他の自転車などとすれ違うのが怖かった。安全になればうれしい」と歓声を待ち望む声がある。
一方で鶴見川では安全面上、橋脚などの工事ができるのは雨量の少ない11月から5月末の6カ月のみ。そのため、工事期間が長期間になるとの予想もあることから、住民からは、工期中のさらなる交通渋滞悪化を懸念する声も上がっている。
横浜市は「工事は片車線ずつ、仮橋を造り車線を保つなどして、なるべく周辺道路に影響の出ない形で進めていく工事方法を考えている。今後、川崎市と共同で住民説明会などを開きながら、意見を考慮していく」としている。
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