とび職キックボクサー 茂木選手（幸区出身）初の防衛戦 ５月１７日 後楽園ホール

　川崎区在住の新日本キックボクシング協会日本フライ級王者、茂木宏幸選手（19）が５月17日、後楽園ホール（東京都文京区）で初の防衛戦に臨む。プロの格闘家ととび職、２足のわらじを履く人呼んで『とび職キックボクサー』。茂木選手は「ＫＯ勝利できるよう準備したい」と意気込む。

　茂木選手は幸区出身。２０１２年１月にプロデビューし、昨年８月にフライ級王座決定戦を判定で制し、第６代王者に輝いた。これまでの戦績は13戦８勝（２ＫＯ）２敗３分。

　ケンカばかりで素行が悪かったという中学時代。キックボクシング経験者の父親に「心を入れかえろ」と、半ば強制的に夏休みの１カ月間タイに送り込まれたことがきっかけでキックボクシングをはじめた。「嫌でたまらなくて、早く帰国する方法をずっと考えていた」というが、次第に魅力にのめり込んでいった。

　帰国後は、趣味程度で近所のジムに通っていたが、現在のトレーナーの目に留まり、本格的にキックボクシングを学び、高校１年でプロデビューした。

　ただ、プロとして活動しているが「まだまだマイナーな競技。ファイトマネーだけでは食べていけない」と、高校卒業後は、日中はとび職として働き、夕方からジムに通うという生活を続けている。

　17日の防衛戦の相手は、昨年８月にタイトルを争った麗也選手。前回も小差で判定の勝利だっただけに「難しい試合になると思うが、次はＫＯで勝てるよう準備していきたい」と意気込む。

　ベルトとともに守るべきものも増えた。昨年11月に結婚し、４月19日には待望の長男も誕生した。「生まれてきてくれた息子と嫁に感謝の気持ちを込めて、勝利を届けたい」と話す。

　茂木選手の防衛戦が行われる大会は５月17日、後楽園ホールで。午後５時から。