ミューザ川崎シンフォニーホール・フランチャイズオーケストラの東京交響楽団は23日、演奏会で使用したメトロノーム100台をすべての市立中学校(52校)に寄贈した。これはメトロノーム100台の音を奏でる「ポエム・サンフォニック」で使用したもので、メトロノームの授与式が終了後に行われた。
同楽団の音楽監督ジョナサン・ノット氏が今年の就任会見でも見どころを熱弁していたメトロノーム100台で奏でる演奏会が11月23日、ミューザ川崎シンフォニーホールで行われた。
現在、メトロノームは電子式のものが主流で、振り子式のメトロノームを100台揃えるため株式会社ヤマハミュージックジャパンの協力を得て実現した。また、音楽への普及、教育を目的に、東京交響楽団はメトロノームすべてを市内の中学校に寄贈することを発表していた。
メトロノームの授与式には市立中学校を代表して、市立南河原中学校吹奏楽部の小林美智さん、中村桃子さん、富田莉々子さん、岩田来夢さんの4人が訪れた。演奏会では指揮を務めたジョナサン・ノット氏がサイン入りのメトロノームを手渡すと生徒たちは笑顔で受け取った。
生徒を代表して小林さんは「メトロノームが刻む演奏はとても近未来的で感動しました。今日はありがとうございました」とお礼の言葉を述べた。これに対しノット氏は「大事に使用してください」と話した。
日本初、オケでの演奏会が話題に
「ポエム・サンフォニック」は、異なる速度に設定され、一斉に鳴り出したメトロノーム100台が、すべて鳴り終わるまでを聞かせるという前衛的な曲。20世紀の作曲家でハンガリー出身のジェルジ・リゲティ(1923-2006)の作品。
大規模なクラシック専用ホールで演奏されることは極めて珍しく、オーケストラの演奏会に組み込まれての公演は、日本で初めて行われたという。
今回の演奏会「名曲全集」では、開場時から100台のメトロノームが鳴り響く中、来場者が入場するというユニークな形で始まり、最後の1台が鳴り終わる静寂の中で、オーケストラによるバッハの曲が始まるという珍しい公演で観客を魅了していた。
ノット氏は音楽監督を務めていたバンベルグ交響楽団でも演奏している。
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