真心を尽くしたサービスや味、技などを提供する小売業や飲食店に贈られる「県優良小売店舗」に、南幸町の田辺茶舗が選ばれた。店内の試飲スペースで客と積極的にコミュニケーションを取ることなどが評価された。
県優良小売店舗表彰は、1976年から毎年、県と(一社)県商工会議所連合会、県商工会連合会が共催で行っている。今年で41回目。県内で33店舗、市内からは「田辺茶舗」、「オンベリール」(中原区)、「堺堂」(高津区)が選ばれた。
田辺茶舗は、1930年創業の茶の小売店。営業年数が86年で、全受賞店のうち2番目に長い。店内の試飲スペースで、茶を飲みながら会話を楽しむ客が多いことや、高低差が少なく車椅子などで入りやすい店内などが評価された。モットーは「お茶は文化であり、新鮮な味と香りを楽しんでいただくこと」で、静岡県産の「掛川茶」を中心に、手ごろな価格でオリジナルの茶葉を取り揃える。
同店代表の田邉幸男さんは2代目。1965年頃、先代である父親の勧めで同店を継ぎ、現在は夫人の精子さんと2人で店を営む。大切にしていることは「味と接客」で、自ら産地の問屋に出向いて味を確認し、試飲した客の反応を見ながら、一人一人に合った商品を提案する。夫人の精子さんのトークも好評で、会話を楽しみに同店を訪れる客もいるという。
また、田邉さんは店を営む傍ら、地域での茶文化の普及にも尽力。南河原小学校児童の茶の栽培や収穫、製茶の指導を30年以上続けている。
田邉さんは「優良小売店舗に選ばれて、責任を感じる。地域のためにも店を続けていきたい」と話していた。
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