全日本少年少女武道練成大会で好成績を残した、揚武館伊勢原道場銃剣道部の監督 澤田 幸人さん 笠窪在住 43歳
夢追う熱血漢
○…8月7日に日本武道館で行われた「第35回全日本少年少女武道練成大会」の短剣道種目で教え子2人が優勝。銃剣道種目でも1人が準優勝するなど、小中学生の大会としては国内最高峰の舞台で結果を出した。「武道館という神聖な場所で夢を果たせて光栄です」と胸を張る。優勝、準優勝した選手は実は自身の子どもたち。「競技中は親子でなく選手と指導者ですが、やはりうれしいですね」と父親の表情。
○…銃・短剣道は明治時代に始まったといわれ、銃剣道は現代武道9種目の一つ。現在、揚武館伊勢原道場で小中学生9人を教える一方、伊勢原市銃剣道連盟では会長を務め、競技の普及にも力を注いでいる。その目的は「未来の日本を守り、支える人間を育成するため」という。「銃剣道も短剣道も木で突き合うから痛いし、うまくいかないことが多い。武道という厳しい世界で心身ともに大きく成長してほしいといつも考えています」
○…横浜市に生まれ、小学1年で剣道を習い始めた。大学まで竹刀を振り続けた稽古の日々は、大きな糧となっている。「普段大声で話すのも、健康で丈夫な体も武道のおかげですね」。工科大学を経て航空機メーカーに就職した。その後、30歳で結婚し、移り住んだ伊勢原で銃剣道の指導者と出会った。もう一度武道をやってみようと決意したのは35歳の時。ここでも剣道の経験が活きた。数年後には有段者となり指導者の道を歩み始めた。家庭では5人の子の父親。子育てに時間を取られ好きな読書も減ったが、「にぎやかな家庭が一番ですよ」と幸せそうだ。
○…全国大会で日本一を遂げた今、新たな夢を掲げている。「伊勢原から銃剣道の国体選手を輩出したいと考えています。そのチームの監督に自分がなれたらうれしいでしょうね」。日本を背負って立つ人材を伊勢原から送り出す。夢は始まったばかりだ。