伊勢原 コラム
公開日:2019.01.04
大展開の始まり
脳梗塞で倒れ、1カ月後にはリハビリテーション病院で訓練が始まりました。理学療法士が「目標を立てましょう。ご自分でどうぞ」。私は、「退院した後、着物を着て茶会に行きたいです」と答えると、理学療法士と作業療法士は驚きました。そんな人は今までにないというのです。着物を1枚持ってきてもらいました。袖に手を通すことが出来ても帯を締めることが出来ません。――考えました。一方の帯は尻の下に入れ、片方の帯は口にくわえ引っ張ります。30分かけてなんとか形になりました。作業療法士は驚きました。病院始まって以来の快挙です。動画に撮って今後の教材にすると言われました。
脳梗塞は体中がギシギシ痛むのです。退院後、毎日着物を着てスーパーで買い物しました。体から汗はダラダラ流れます。買物のカートはまっすぐ押せません。そこにいる方々は「あれなんだ?」という目つき。ある時、知り合いの女性が後ろから走ってきました。「相原さん、すごい。そんなこと誰も出来ませんよ。頑張り屋さん、応援しますよ」。こんな私を応援してくれる方がだんだん増えてきました。
そして、ある時、車いすの「古武術介護塾々長」なる人をご紹介いただきました。――それ逆でしょう?
また人生の大展開が始まるのです。
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