母のこと
私の父は喉頭癌で亡くなりました。母に手紙が残されていました。「何度も何度も書き直してもあなたへの思いは書き尽くせません。お世話になりました。そしてどうか私を許してください」と書かれてありました。手紙を読んだ母は1年間泣き続けておりました。あの乱暴者の父を本当に、本当に好きだったのです。
-それから数年後のある日の夕方。私の足に力が入らなくなりました。しかし、あれあれあれ?と言っているうちに治ってしまったので、寝てしまいました。
朝が来ました。「お父さんその顔はどうしたの?」と、娘に言われて鏡を見たら顔がひんまがっていました。救急病院で「何故あなたは夜のうちに来なかったの!」と言われましたが、後の祭り。そして私は障害者になりました。
母も脳梗塞で足が不自由になり寝たきりになりました。もうここまでという時、私は母と手をつないでいました。呼吸の間隔がのび最期のときを迎えました。
-読者の方からのお手紙に句が添えられていました。
百合の香を深く吸うさえいのちかな
私は母を思い句を詠みました
怖き母優しき母よ赤まんま 秀
脳梗塞は怖いのです。皆さん「身体に変異を感じたらすぐ救急車」。くれぐれも、迷うことなく。
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