市内桜台の地域作業所ドリーム(小渕文隆施設長)の施設内にオープンした、ポップコーン製造販売工房、ジェリーズポップコーン・ドリーム伊勢原が、11月12日に1周年を迎えた。
ジェリーズポップコーンは、障がい者の就労支援を目的に全国展開しているプロジェクト。同施設では、以前から工賃をアップさせて、利用者にやりがいや楽しさを感じてもらうために何かできないかと考えていた。そうした中で、プロジェクトを知った職員の長尾拓哉さんがすでに加盟していた施設を見学。利用者が楽しそうに働く姿を目の当たりにし、加盟への思いを強めたという。
就労継続支援B型の同作業所は、化粧品サンプルの袋詰めや、小型家電の解体などの内職作業、パンの販売代行などの施設外作業などを行う。利用者の工賃は1カ月平均で7500円ほどだったが、ポップコーンの製造販売を始めてから、昨年度はコロナ禍にも関わらず、平均工賃1万円を達成した。
就労継続支援B型はA型と違い、就労に向けたステップアップの場所であることから、雇用契約を結ばず、最低賃金の支払いもないため、月額3000円程度の工賃水準が施設運営の条件の一つになっているという。
利用者や家族から喜びの声
長尾さんによると、2019年度就労支援B型の全国平均工賃は、一人あたり約1万6000円、神奈川県が約1万5000円。そうした中で同施設は今年度、平均工賃が1万5000円を超える見込みだという。「利用者から『今まで見たことがない額のお給料をもらえた。好きなゲームが買えた』などの声も聞け、家族も喜んでいる」と成果に自信をのぞかせる。
機械操作のほか、不発コーンの取り除きや袋詰め、シール貼りなどすべての工程を利用者が行っている。職員2人と利用者8人の10人がローテーションで作業にあたり、販売店への納入も利用者が職員に同行する。現在販売店は10数店舗にまで拡大し、今後は市外にも拡大する予定。
小渕施設長は「地域の方が購入に訪れてくれることで、施設を知ってもらうきっかけになった。利用者も地域の人と交流が広がり、やりがいを感じている。今後も利用者のやりがいや、地域の方に施設を身近に感じてもらえるよう努力していきたい」と話す。
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