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伊勢原 文化

公開日:2023.05.12

大山阿夫利神社で3年ぶり
伝統の神事能を披露

  • 狂言「左近三郎」(提供/大山阿夫利神社)

 大山阿夫利神社(目黒仁宮司)・下社拝殿で5月5日 、江戸時代から続く伝統芸能のひとつ『大山神事能』が3年ぶりに開催された。

 大山神事能は大山に伝わる「大山能狂言・仕舞」を披露するもので、その歴史は江戸時代にまで遡る。多くの参詣者が訪れる大山では、僧侶と修験者の揉め事が起き、次第に激化。その事態を憂慮した徳川幕府が双方に能楽を習わせ、演能を命ずることで融和を図ったことが始まりと言われる。衰退が進むも約40年前に大山阿夫利神社先代宮司・目黒修一氏の呼びかけで「大山能楽社保存会」が発足し、今に継承している。また大山能・狂言は2016年に日本遺産に認定された「大山詣り」の構成文化財のひとつにもなっている。

 当日は、狂言「痺(しびり)」「左近三郎(さこのさむろう)」、子どもたちによる仕舞「道灌」など、狂言2番、仕舞4番が演じられた。保存会会員で同神社の目黒久仁彦さんは「コロナ禍で思うように活動できない期間が続いておりましたが、ようやく本来の形で実施できるようになり安堵しています。そのような中でも頑張ってくれた子どもたちにも活躍の場が設けられるよう努めていきたいと思います」と話す。

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