留学で得た経験、糧に

　○…ロータリークラブの青少年交換学生として１年間カナダに滞在し、７月に帰国。「高校生だからこそ得られた貴重な経験、奇跡のような環境だった」と振り返る。留学先は、人口７万人の都市・セントアルバータ。初めての長期海外生活に不安もあったがホストファミリーや地域の人々が「子どもとして」温かく接してくれ、スポーツ体験やボランティア活動を通じ、地域に深く溶け込むことができたという。世界各国から来た留学生たちと国際的な友情を育み「小さな絆が世界的な平和につながる」という理念を肌で感じた。「勉強よりもはるかに強い経験と価値を感じた」と力強く語る。

　○…母親が平成ロータリークラブの会員であったことが留学のきっかけ。当初は漠然とした興味だったが、選考が進むにつれ｢英語で話したい｣｢自然体験をしたい｣と具体的な目標が生まれた。留学前は内向的だった性格も、カナダでの様々な出会いを経て「何もかもが変わった」と実感。積極的に人と関わる中で、感謝の気持ちを学び、自分が多くの人々に支えられていることを深く感じるようになった。

　○…伊勢原を拠点に活動する宮大工の家庭に育ち、日本の美しい伝統を次の世代へつなぐ両親を深く尊敬する。自身も茶道を学び、カナダでも日本文化を紹介。高校では『源氏物語』の原文と英訳版の比較を研究テーマとし、「国際的な視点から日本文化を理解できたら」と興味はつきない。

　○…今後の目標は、まず地域社会のロータリークラブ活動に積極的に参加すること。現在は大学進学に向け受験勉強に励む日々。「日本の教育制度に海外の良いところを取り入れ、革新していくような、政治職や官僚の道に進みたい」と大きな夢を語った。