6月1日・2日に展示会を開いた愛川ばら会の会長 小島 信章さん 愛川町半原在住 63歳
ばらの剪定、皇居でも
○…20年以上続いている文化会館での春の展示会。今年も約100名の会員たちが丹精込めて育て上げたばらがずらりと並んだ。色も形も香りも様々だが、その美しさに魅かれるように足を止める人たちに「それはとても香りがいいですよ」などと率先して声をかける。一方で時折、胸にしまった手入れ道具をさっと取り出しては、ばらの様子に気を配る。その横顔はすこぶる優しい。
○…町内での活動に加え、ばらの植栽普及や環境美化、国際親善などの活動を行う「公益財団法人日本ばら会」の常務理事も務める。このほか皇室委員として、毎年2月と9月には皇居でばらの剪定も行う。もともと製造業に携わってきて、ばらを仕事にしてきたわけではないが、その知識たるや並大抵ではない。栽培技術はもちろん、育種、品種誕生の歴史など、1を聞けば10が返ってくる。それもそのはず、新品種のコンテストであるJRC委員長でもある。
○…土づくり、剪定、病害虫対策など、ばらの栽培に休みはない。加えて自分の理想を求めれば求めるほど、高度な知識も必要になり勉強に終わりはない。それでも「土の栄養とか考えるとき、まるで化学の世界だなって思う」と楽しんでいる様子だ。父親が栽培していたこともあり、ばらはいつも身近で、いつしか自分も自然に取り組んでいた。「展示会に出かけた時に見たどことなく上品な世界。そこに憧れたのかも」と振り返る。
○…スポーツ系のバイクを乗りこなす。日帰りで福島までなんてことも珍しくないという。バイクに乗って風を切る感覚は、もうひとつの趣味であるスキーと似ていてすっかりはまった。今後の活動に水を向けると、「栽培技術という面でも、今まで以上に難しい花を咲かせてみたい」と締めくくった。