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公開日:2025.12.18

玉川中サッカー部
泥臭く、63年目の躍進
守備徹底 初の都大会

  • 少数精鋭の玉川中サッカー部

  • 快挙を振り返る3人(左:大澤監督、中央:キャプテンの森尾さん、深田コーチ)

 玉川学園中学部のサッカー部が先ごろ、創部63年目にして初めて地区予選を勝ち抜き、東京都大会に出場した。相手に張り付く泥臭い守備を徹底し6試合連続で無失点。躍進を果たした。

 玉川中サッカー部の創部は1963年。町田市内の他の中学チームと比べてその歴史は古い。経験者でない生徒も気軽に入れる部活動として愛好会的要素が強く、サッカーが盛んな町田のなかで抜きんでる存在ではなかった。そのため、年によって規定などは異なるものの、「都大会」と位置づけられる大会への出場はこれまでなかったという。

 そんなチームの快進撃がみられたのは今秋。都の新人大会に出場し地区ごとに行われる予選リーグの初戦を1対0で突破するとその他3試合も無失点。決勝トーナメントに進出してからも相手に思うようにプレーさせない泥臭い守備を展開。得点を許さず、決勝は延長の末、PK戦を制し勝利し初の都大会出場を決めた。

 キャプテンを務める森尾大志さんは「うれしかった。選手一人ひとりが相手との1対1に負けないようにしてきたことが結果につながったと思う」と振り返る。

背景に体力強化

 玉川中サッカー部が変わったのはここ数年。高校時代に全国大会への出場経験のある深田龍熙さんがコーチに就任し、練習の内容が変わったことが大きい。走り込みの量が増え、体力強化を図る時間が増加したといい、「強豪校との技術差は大きいが、守ることに関してはそんなに技術は関係ない。まず守備を徹底できればと考えた」と深田さん。相手選手に「呼吸させないくらい」の徹底マークをできる体力を養い、一方で攻撃は各選手の好きなようにプレーさせたという。

 そして、堅守し隙あらば攻め入るスタイルが確立すると、初出場した都大会でも敗戦するまで無失点を貫き、ベスト16という結果を残すことができたという。

 深田さんは「大会を通じ、終盤まで相手よりも動きまわれた。選手たちは愚直にがんばってくれた」と振り返り、イレブンを見守り続けてきた監督の大澤誕也さんは「都大会に出場することができて多くの方に喜んでもらえたことがうれしい。私たちが目指す『応援されるチーム』に近づけたと思う。選手たちは来年、都大会ベスト8を目標にするというが、引き続き、寄り添っていきたい」と話している。

 玉川中サッカー部と交流があるというJ1リーグ・FC町田ゼルビアを運営する株式会社ゼルビアのCOOの上田武蔵さんは「長年にわたる伝統、皆さんの努力が実を結んだことに感動している。これからも粘り強い守備を継続し、さらなる高みを目指して、攻撃力やチームワークを引き上げていってほしい」と話している。

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