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愛川・清川 人物風土記

公開日:2015.02.27

3月21日に「みゅうじっくぼうるコンサート」を開催する音楽療法士
小林 朱見さん
清川村煤ヶ谷在住 56歳

音楽も生活も自由に満喫

 ○…器の中で様々な野菜が一つになるサラダボウルのように、障がいのある人もない人も、大人も子どもも一緒になって楽しむ。それが自身の音楽療法教室「みゅうじっくぼうる・めい」。コンサートでは、障がい者施設に通う利用者や知的障がい児の自主グループが出演し、観客にも打楽器が手渡され会場一体で楽しむ。コンサートの主催は初。「段取りを考えるのが楽しくて」と、当日が待ち遠しくてたまらない様子だ。

 ○…音楽で心をリフレッシュし、リズムに乗って体を動かすことで身体機能の向上も図る音楽療法。教室は東京から静岡県まで、各地の施設を訪問して開かれるため「いつも飛び回っています」とエネルギッシュな毎日。「『手が思うように動かなかったのにドラムを叩けた』とか、少しでも良くなってくれると本当に嬉しい」と目を細める。

 ○…東京都出身。大学卒業後は卒論でも関わった障がい者を支援する仕事を選んだ。ところが、最初に就職した施設は寝たきりなど重度の人の施設。「今では考えられませんが、当時は『寝返りできる人は転がってトイレまで行かせる』という方針。若くて何もできなかったけれど、『違うんじゃないかな』っていつも考えていました」。自分にできる方法で何かできないか。模索する中で見つけたのが音楽療法だった。昔から音楽は大好きだが「ピアノは『バイエル』だけで辞めちゃった」と苦笑する。音符に沿った音楽よりも自由な音楽。ビートルズや荒井由実に憧れ、ギターも独学。楽譜を使わない音楽はむしろ仕事では「現場に合わせて音程や速さを変えたりできる」とピッタリ。

 ○…清川村に住んだのは25年前。「最初はすごい田舎と思ったけれど、住めば都」と満面の笑み。長男長女は独立し、夫と犬3匹の自由な生活。「散歩をしていると近所の人に『大根持っていきなよ』と声をかけられる。のどかで、来てよかった」と柔和に微笑む。

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