愛川町議会の第33代議長に就任した 小島 総一郎さん 愛川町半原在住 69歳
伝統を背に改革も
○…6期目のベテラン議員に、白羽の矢が立った。議長への就任は初。「5年目を迎えた議会基本条例の精査やマンネリ化しつつある意見交換会の改善をはじめ、議会改革を進めたい」と、重責にも気負いは感じられない。議場のオープンスペース化や各種イベントでの議会PRブースなど、より開かれた議会へ積極的な広報も視野に入れる。「議員の皆さんともよく話し合って、町民のニーズに合った議会にしていけたら」と、柔和な笑みを浮かべる。
○…半原生まれ、半原育ち。町議の父が身を粉にして働く姿を見て育った子どもの頃は「議員にはならないほうがいいかも」と思っていたという。厚木高校を卒業後、厚木市の製薬会社に就職。サラリーマンとして15年務めた後、家族の経営するコンビニエンスストアのオーナーとなって、10年ほど務めた。この頃から、地域の顔役でもあったため議員への期待の声がかかる。49歳にして議員となり、今では愛甲商工会の副会長や町ゴルフ協会の会長など、幅広く活躍する。
○…息子2人との3人暮らし。「日本百名山を写真に撮りに行くなど、やりたいことはいっぱいあるけど忙しくて」と苦笑する。日々の癒しは花々の世話。家の入口には毎年可憐なユリが咲き、土手に植えた芝桜も人々の目を楽しませる。「温暖化の影響か気温が高くなってきているので、ユリは病気になりやすくて難しい」と、ユリの話になると自然と身が前のめりに。高校を卒業してから50年以上続けているゴルフも「議員になってからは下手になった」と快闊に笑い飛ばす。
○…愛川町の将来を見据え、「やはり人口減が最大の課題」と表情を引き締める。昔は「夢のような話」と言われていた相模縦貫道も開通した。町の活性化に、小田急多摩線の延伸実現を訴え続ける。「いつか開通することが、未来への贈り物になったら嬉しい」。優しい眼差しは、いつも明日を夢見ている。