若者たちの音楽祭実行委員長を務める 澁谷 隆史さん 愛川町中津在住 31歳
人のつながりに感謝
○…愛川町で初の軽音楽イベント「若者たちの音楽祭」。12月20日の本番を前に「日に日に緊張が高まってきて押しつぶされそう。でも、みんなこの日に向けて懸命に練習してきた。多くの人に来てもらえたら」と笑顔。高校生から社会人まで、18人の実行委員会でイベント内容を練り上げてきた。当日は昭和歌謡から爆音系のロックバンドまで、多彩な音楽が町文化会館のホールに響く。
○…生まれは埼玉県。小学6年生の時に愛川町へ。当時はバンドブームだったこともあり音楽に興味はあったものの、少し距離のある憧れの世界。中学ではバスケ部に入ったが、友人が軽音楽をやっている姿を見て「自分もやっていいんだ」と、お年玉を貯めてエレキギターを購入。憧れの世界は一気に日常の一部に。「できなかった事ができるようになった時の伸びた実感が嬉しくて」。大学に入る頃には自分で曲を作るようになり、社会人となった今も知人のイベントにゲスト出演したり、バーでギターや歌を披露することも。「歌える場があるのは、人のつながりがあるからこそ」と、感謝の言葉に目を細める。
○…音楽祭には愛川中原中学校時代の旧友にピアノのメンバーを加えたバンド「ザ・マコサイーズ」で出場する。バンド名の由来は、5年ほど前に亡くなった共通の友人のあだ名。「バンド名をどうしようか」と、皆で話し合った時に自然と浮かび、すぐに決まったという。亡くなった友人も好きだったという3曲を披露する予定だ。「『今も元気にやっているよ』という思いを天に届けたい」と、柔和な笑み。
○…来年2月に高校時代の同級生との結婚式を控え、音楽祭と両方の準備で大忙しの日々。婚約者は3歳の頃からピアノを弾き、本格的にクラシックに取り組んでいたという。「将来子どもが生まれたら、一緒に音楽をできたらいいな」。澄んだ若者の瞳には、希望の未来が見えている。