愛川町の六倉区(平川利夫区長)が今年の9月から10月にかけて、自治会に加入している全世帯に災害時用の非常食を配布した。同区では初の取り組みで、日頃から災害に備える意識の向上を目指す。
今回配布した非常食のセットは、天然水2リットル、アルファー米、レトルトカレー2箱、イワシのかば焼き缶詰1個。大人2食分の食料で、賞味期限は2年から5年となっている。
この非常食セットを、自治会に加入している693世帯に配布した。費用は53万円。これは自治会の年間予算の約1割に相当する。平川区長は「大きな費用ですが、災害時はライフラインが止まってしまう。今回配布した食料だけでは不足ですが、家庭で備えるという意識を根付かせるきっかけになってほしい」と期待を込める。
災害に備え、これまでは3日分の食糧確保が目安と言われていた。しかし、あいかわ町災害ボランティアネットワークの山内潔代表は「最近では、冷蔵庫の中の物も含め、7日分の食糧確保が推奨されています」と話す。
一般家庭での非常食の備蓄については、平川区長の聞き取り調査では10%から20%程度に留まっており、災害時の備えが十分とは言えなかった。そこで、普段から食べなれている食材と、生活に必要な水をセットにして配布することを検討した。
また、備蓄品を定期的に入れ替えながら災害に備える「ローリングストック法」の周知も同時に実施。「取り出しやすい所に多めに備蓄し、時々それを食べて、新たに買い足す。これで食料を無駄にすることなく備えることができるんです」とメリットをあげる。
同区では今後、配布した食料の賞味期限にあわせ、隔年での非常食配布を予定しているという。
平川区長は、幼少の頃に豪雨で近くを流れる相模川の水位が上がり、轟音をあげて土を削りながら流れる光景を今も覚えている。「西日本豪雨や大型の台風、北海道での地震など、今年も災害が多かった。1軒でも2軒でも、非常食を確保して、災害に備えるようになってもらえたら」と語る。
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