10月27日(土)に開幕する2018年度神奈川県高校総合文化祭。そのポスターやパンフレットに小田原高校、相洋高校の生徒の作品が採用されている。
華やかな日本がポスターに 小田原高 矢島穂香さん
県高校総合文化祭のポスターには小田原高校の矢島穂香さん(2年)の作品が採用された。昨年、総文祭のポスター原画部門に応募し、奨励賞を受賞。その後、選考を経て本採用が決まった。
描いたのは日本。富士山、鶴、和装、鞠、鯉に刀に色彩鮮やかな花や葉と日本独自の柄を詰め込んだ作品。赤が好きという矢島さんは濃淡を使い分けて要所に使い、華やかな作品に仕上げた。「華やかな方が人の目につくと思って。多くの人に見てもらえるかなと思ってます」と話す矢島さん。
着物の柄を見るのが好きで、本を借り、じっくり見ながらポスターの随所に散りばめた。矢島さんは「奨励賞にも驚きましたが、ポスターに採用されてもっと驚いて。でもうれしいです」と喜びを語った。
県高校美術展の「顔」に 相洋高 岩本君と岡本さん
神奈川県民ホールギャラリー(横浜市中区)で11月27日(火)から開催される「神奈川県高等学校美術展」。昨年のポスター原画部門に相洋高校美術部(伊勢岳彦顧問)の岩本将太君、同じく岡本美樹さん(ともに2年)が表紙原画部門にそれぞれエントリー。2人揃って初めて採用作品に選ばれた。
祖父が画家という岩本君は「はじまり」をイメージし、蛇口をひねると赤や緑、黄、紫などの色水が流れ、たどっていくとバナナやレモン、りんご、キウイ、葡萄などカラフルな色のフルーツが見えてくる絵画を描いた。
この構図には、制作時から「たくさんの人に目を向けて、楽しんでもらえる作品になるように」という思いを込めた。その中でも「影を描くのが特に難しかった」と振り返るが、大小5本の筆で色を巧みに使い分け、時には筆を叩く技法などを駆使し、鮮明に描くことに成功した。岩本君は「一生懸命描いた甲斐があった。私の作品をたくさんの方々に見て頂くことで、少しでも美術に興味を持ってもらえたらうれしい」と話した。
私にぴったりのテーマ
一方、「一目惚れした」という水色のセキセイインコを飼うほど「鳥が大好き」という岡本さんは「翔(はばたき)」をテーマにした制作に取りかかった。「私にぴったりのテーマだった」と話すように太陽や光、雲の中を鳥や蝶が舞い、七色の筆で導かれる姿を鮮明に描き、鳥と蝶には「見た人にしっかり存在感が伝わるように」と無数の点と模様を重ねて色を塗るこだわりも取り入れた。「思い描いたイメージ通りの作品に仕上がった」と満足気の岡本さん。最終候補13点の中から総合文化祭の開会式のパンフレットに採用された。
岡本さんも「発表されるまでどきどきだった。『まさか自分が』と思い、先生から伝えられたときは頬をつねった。たくさんの方に手に取ってほしい」と笑顔を見せた。