小田原・箱根・湯河原・真鶴 社会
公開日:2020.05.30
板金加工65年の匠の技
柳川さんが黄綬褒章
小田原市中里の柳川辰男さん(80・(有)柳川板金工業所代表取締役)が令和2年春の褒章で、黄綬褒章を受章した。
黄綬褒章は農業、商業、工業の業務に精励し、他の模範となるような技術や事績を有する人に贈られる。柳川さんは板金加工の職人として65年間技術を磨き上げ、屋根に取り付ける鬼飾りや文字看板も得意とする。
板金加工は1枚の銅板や鉄板を金づちなどの工具で叩き、曲げて、自在に形づくる技術。1日に数万回打ち続けるため、手のひらの厚さは4cmを超えて頑丈だ。「鬼飾りは家の守り神。心を込めて作っています」と笑顔を見せる。
今でも毎日のように住宅や神社仏閣の屋根に上り、寸法をとったり製作した鬼飾りなどを取り付けている。幼いころからマラソンが好きで、今も日々ジョギングやグラウンドゴルフで鍛えているため、身軽さは健在だ。
また、20年以上にわたり若手職人の指導にあたっている。「どんなに機械化が進んでも、プレスの型の元を作るのは手作業」と話し、0・01mm単位の技術を後進に伝える。「職人は、本当に仕事が好き。あと10年は頑張りたい」と、意欲を語った。
富田さん・泰田さん藍綬褒章を受章
小田原市からは他に、保護司の富田幸治さんと元民生委員・児童委員の泰田幸枝さんが藍綬褒章を受章した。藍綬褒章は産業振興、社会福祉振興で優れた業績を挙げた人、公共事務に尽力した人に贈られる。
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