小田原・箱根・湯河原・真鶴 文化
公開日:2020.09.19
「風外窟」の整備に汗
NPOがワークショップ
小田原市田島に残る史跡「風外窟(ふうがいくつ)」の周辺を整備するワークショップが9月13日、NPO法人「地球守(ちきゅうもり)」(事務局/千葉市)主催で行われた。
風外窟は、江戸時代の禅僧・風外慧薫(えくん)が修行のために滞在したとされる洞窟で、古墳時代末期頃の横穴古墳群のひとつ。これまで地元有志が20年ほど前に立ち上げた「田島歴史同志会」が周辺の整備を行ってきた。しかしメンバーの高齢化が進み、5年ほど前から活動が行えずにいたという。
地球守は、山林整備の体験イベントなどを開催している団体。4月頃、NPO代表理事・高田宏臣さんが、同志会顧問の野地芳男さんを訪ね説明を聞きながら風外窟の現状を視察していた。
同NPOでは風外窟を、先人の功績を伝える「文化財」としての価値があり、また人の営みを育んできた「環境」を伝える存在として、保存活動の意義を示している。
当日は、横浜や都内などからの40人の男女とスタッフ、同志会メンバーらが参加。茂っていた竹や風雨による倒木を伐採、撤去したり、木材を再利用して斜面や階段の土留めを行ったりした。
半日ほどの作業できれいになった風外窟周辺を見て、野地さんは「皆さんの働きぶりに驚いた。地元の参加者にも経験してもらうことができた」と振り返り、今後あらめて保存活動を継承していきたいと思いを話した。
ワークショップ開催の調整や当日の指導協力を担当した岩越松男さん(上新田在住)は「皆さんやり切った充実感があふれていた」と話した。
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