真鶴町の松本一彦町長が選挙人名簿抄本を不正にコピーし、自身の町長選に利用していた一連の問題を巡り、町議会は6月3日の本会議で、松本町長への辞職勧告決議を賛成多数で可決した。決議には法的拘束力はなく、松本町長は町長職を継続する意向を示した。
決議では、流出した名簿には有権者の氏名、住所などの情報だけでなく投票履歴が記載されていたこと、また5月の議会で、名簿は関係当事者5人だけでなく、町長が支援者3人にも流出させていた事実が新たに発覚したことなどについて「民主主義の基礎を掘り崩す重大な問題。町民を欺く背信行為と言わざるを得ない」として、直ちに辞職するよう勧告した。
この日、町長室でタウンニュースの取材に応じた松本町長は「議会の議決なので重く受け止めている。ただ、法的に辞めざるを得ない状況になるまで町長を続ける」と話した。
またこの日は、名簿を受け取った青木健、岩本克美両町議に対しても、辞職勧告決議が可決。両町議が同決議を受けるのは、昨年11月に続き2度目。両者とも辞職しない意向を示した。
(6月8日起稿)