小田原・箱根・湯河原・真鶴 社会
公開日:2022.12.17
ジェムスティーイン箱根・芦ノ湖
旅宿で癒しとおもてなし
ウクライナ避難者を招待
箱根町のホステル&カジュアルレストラン「ジェムスティーイン箱根・芦ノ湖」に11月25日、ウクライナから日本に避難している7人と在日ウクライナ大使館職員らが訪れた。
同ホステルの女将、阿佐朋子さんは「慣れない暮らしは心細く、ストレスを抱えていると聞きました。宿として私にできることは癒しとおもてなし。避難者の方々にゆったりと過ごしていただきたい」と考え、1泊2日の箱根旅を招待した。
ハルキウから夫のリミトロさん(25)と共に7月に避難してきたマリアさん(23)は、「両親がハルキウに残っていて心配。ロシアの爆撃による停電で、連絡が取れない」と心配の表情を浮かべる。それでも前を向き、「日本語をもっと勉強して、日本で大学院に行きたい」と力強く語った。ドネツク出身のアンナさん(28)はロシアがウクライナ東部とクリミアに侵攻した2014年、キーウに逃れた。今年3月には一時イタリアへ、6月に日本に避難してきたと言い、避難生活はすでに8年に及ぶ。
阿佐さんが「日本も戦争による空爆、原爆投下で焼け野原になったが、その20年後には新幹線が走り、東京オリンピックを開催できた。皆さん、希望を持ってほしい」と語り掛けると、拍手が沸き起こった。
夕食後、阿佐さんによる日本舞踊の披露やゲーム大会が行われ、笑顔に包まれていた。翌日は芦ノ湖や大涌谷など、紅葉の箱根観光を楽しんだ。
地域で支援の輪を
阿佐さんは今後もウクライナの建国記念日の8月24日にちなんで、毎月24日前後で招待を続ける。12月は家族連れが訪れる予定だ。課題は交通費の支援で、2日間有効の箱根フリーパスを利用しても、東京からの交通費を合わせて1人6000円ほどかかる。そこで阿佐さんは、地域で支援の輪を広げていきたいと考えている。問い合わせは同ホステル【電話】0460・83・8535。
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