近年、従業員の心身に配慮した「健康経営」を実践する企業が増えている。従業員の健康増進を重視し健康管理を経営課題として捉え、その実践を図ることで、従業員の健康の維持・増進と会社の生産性向上を目指す経営手法だ。国が推進する取り組みで、結果的に業績向上やイメージアップなど企業価値の向上につながるとされる。

人手不足解消へ向けて

　「健康経営を取り入れることで建設業界の常識を変えて人手不足を解決したいんです」。土木工事を専門とする相模原市中央区南橋本の建設会社「三和建設工業（株）」の佐藤ひとみ代表取締役はそう話す。

　同社は建設業界の要である「施工管理」を担っている。知識や判断力が求められる領域のため、健康な体と健全な思考を維持することが重要なことから、「社員の心身の健康を支えることで、生産性の向上や企業の持続的な成長につなげられる」と考え、数年前から「健康経営」を導入している。

　とはいってもどこから手をつけていいのか――。

　頼ったのが大塚製薬の法人向けサービス「健康経営つながるサポートONLINE」。このサービスは、課題抽出や施策の相談などを大塚製薬が対応、従業員らに配布する飲料や食品を支援するもので、費用を会社側が負担する。ある運送会社ではこのサービスを導入後、ドライバーの採用・定着につながったり、女性の活躍も進んだという事例もある。

スマートウオッチや高性能空気清浄機を支給

　同社では９人の社員を「家族」と位置付け、全員に心拍数や歩数、睡眠状態など健康管理に役立つデータを測定することができるスマートウォッチや高性能空気清浄機が支給される。定例会議の中でも健康に関する情報を共有する時間を設けているほか、健康補助食品の購入も支援する。

　社員の平均年齢は50歳。「家族」の健康に気を配り、２０２３年に「かながわ健康企業」を宣言、24年には健康経営優良法人の認定を受けた。「建設業界は体を酷使するきつい業種という印象を変えたい。社会課題でもある人手不足の解消にも繋がるかも」。佐藤社長はそう話す。

社員の声〜入社23年目の宮原優二さん〜

　施工現場の管理業務にあたるいわゆる「現場監督」の宮原さんは49歳。会社が健康経営に取り組むようになり、自身の意識も「大きく変わった」という。

　「良質な睡眠をとるように心がけている。お風呂は寝る直前に入らないようにしたり、ブルーライトは見ないように心掛けている。色々な情報を提供してもらう機会があり、前よりも知識量が増えた」

　常に現場の協力業者の作業員さんたちの様子に気を配っている。体調が優れない様子が見受けられれば休憩をとってもらう。「以前は感覚的な所で判断していたが、様々な情報が提供され、今は根拠を持ちながら判断している。作業員さんが健康な状態でなければ、現場は回りませんから」

三和建設工業（株）では以下のような人材を募集中

■職種：施工管理スタッフ・土木工事の施工管理全般

■仕事内容：道路、上下水道、河川など土木分野の工事における現場監督（施工管理）

■年齢：59歳以下（定年年齢を上限として、定年年齢を下回年齢を募集するため）。未経験者は、33歳まで（若年層の長期キャリア育成を図るため）

■学歴：不問

■経験・資格等：施工管理の経験をお持ちの方、大歓迎。土木施工管理技士資格（1級・2級）。自動車免許

■勤務地：本社、神奈川、東京の各現場（直行直帰可）

■勤務時間：8：00〜17：00（基本）（休憩時間90分。現場により始・終業時間の変動あり）

■休日休暇：年間休日135日（例年）　毎週日曜ほか、土曜を含む休日カレンダーによる指定日。G.W、夏期休暇、年末年始休暇

■福利厚生：各種社会保険完備/他

■給与：※年齢・資格・経験考慮の上、決定します。

■選考方法：書類選考の後、面接・簡単な口頭試問を行いますので履歴書と職務経歴書をメールまたは郵送でお送りください。

■備考：当社は「記憶に残る存在に、共に未来を創る」の心得を掲げ、活気のある会社です。多様なスキルを持つ人材を育て、一人一人がインパクトを生む力を持つ企業になることをめざしています。営業活動は、首都圏周域において官庁及び民間の土木工事を行っております。上記の仕事内容ですが、未経験者の方には一から丁寧に指導教育いたします。また、必要な資格取得のための支援制度も充実しています。社用車貸与あり。