東京六大学野球・春季リーグで首位打者に輝いた 阿加多(あがた)直樹さん 慶應義塾大4年 21歳
直感で「思い切りやる」
○…今季リーグ戦では12試合に出場し、4割4分7厘の高打率を記録。開幕当初は不調だったが、球種を問わず多方向に打ち分ける広角打法で活路を見出した。「能力任せにしないで、試合の中で悪い部分を修正できた」と手応えを語る。
○…部員約200人のうち捕手は20人近い。「自分がマスクをかぶるときは、全員分の気持ちを背負ってプレーする」。頭にあるのは「全試合で完封するイメージ」。投手が気持ちよく投げられるようリードし、チームが掲げる「少ないチャンスで守り勝つ野球」を追求する。昨春のリーグ制覇後、全日本大学選手権では決勝で藤岡貴裕投手(現ロッテ)擁する東洋大と対峙し、延長10回、1―3でサヨナラ負けした。「甘く入ったのをホームランされた」。1球の重みを肌で感じた。
○…野球との出合いは小5のとき、2歳年下の弟・優樹君と入った少年野球、西が岡ベアーズ。領家中時代は硬式野球の横浜旭ベースボールクラブに所属し、正捕手で主将を務め、3年間無欠席の特別表彰も受けた。「野球だけでなく人として、広田(金一)理事長や監督、コーチが親身に指導してくれた」。大会が3年の12月まで続く中、受験勉強を両立させ慶應義塾高へ。野球部では3年夏、外野手で主軸の5番打者として甲子園ベスト8の成績を残した。「いろんなポジションを経験しながら、紆余曲折してレギュラーになれたことは貴重な財産」。大舞台の緊張を快感に変え、心底楽しめたことが良き思い出だ。
○…少年時代からクラブ運営の補助や移動、食事などあらゆる場面でサポートしてくれた両親を尊敬し、感謝している。「支えてくれる人たちへの恩返しとして、慶應で日本一になりたい」。野球部ウェブサイトの選手紹介ページでは、信条に「泰然自若」をあげているが、「カッコよかったから、フィーリングで」と笑う。「ビッグになりたい」という果てしない夢に向かって、マイペースで走り続ける。
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