下和泉住宅と地下鉄「下飯田」駅、相鉄「いずみ中央駅」を結ぶ下和泉住宅自治会の「Eバス」が路線バス化され、9月17日に出発式が行われた。運行時間が昼間と土日祝にも拡大され、長年バスの定期運行を望んできた住民の念願が叶った。
Eバスがコミュニティバスとして誕生したのは、横浜市営地下鉄ブルーラインの戸塚〜湘南台間が開通した1999年。地域住民の足だったバス路線が廃止され、高齢化が進む同住宅の住民にとって最寄りのバス停や駅まで歩くのに時間がかかるなど問題点が生じ、人口減少に拍車をかけた。
この状況を変えようと同自治会がEバス運営委員会を発足し、天台観光(戸塚区)から28人乗りのマイクロバスを借り、2002年から11年間、地域住民が主体となり運行してきた。Eバスという名前にはイージー(容易・手軽)、良いという意味を込めた。
Eバスの利用客は当初、1日50〜70人ほどだったが、現在は平均140〜150人が利用し、雨天時は200人を超えることもある。地域住民の交通の便が良くなっただけではなく、外出する人が増え、車内でのあいさつも活発化。同地区に若者が増えるという効果も表れた。
昼間と土日祝も運行
Eバスは利用者が事前に登録し会費を払う方法だったが、路線化により会員登録が不要となり、誰でも乗車可能になった。運賃は大人200円、小学生100円で、同自治会館や区役所売店等で回数券を販売している。従来の会員証は10月末まで利用できる。
運行間隔は1時間に1本で、通勤ラッシュ時は30分に1本。平日朝夕のみの運行だったが、昼間や土日祝日も終日運行と時間帯を拡大した。時刻表を掲示したバス停を6か所に設置し、利便性を高めた。
Eバス発足当時の自治会長、佐久間幹雄さんは「最初は前例がないため苦労した。どうしても走らせたいという思いで天台観光に相談し実現した。路線バス化は大変嬉しい」と、現会長の小林俊彦さんは「11年間ボランティアで走らせてきた。土日祝日も動くため、利用者は相当期待している」と路線バス化を喜ぶ。
バスを運行する天台観光は「コミュニティバスの路線化というのは珍しい。他地域でも同じような動きはあるが、ある程度の世帯数、住民の意見がまとまっている必要がある」と成功要因を挙げる。
同バスは1日の乗客数240人以上を目標とする14年3月までがめどの試験運行で、同委員会は積極的な利用を呼びかけている。
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