「ガチコロ!」で銅賞に選ばれたvegetable kitchen菜(犬山町)の店長 上原 伸一さん 上之町在住 38歳
笑顔あふれる第二の家に
○…横浜市商店街総連合会が主催した「ガチでうまい横浜の商店街コロッケNo.1決定戦」(通称ガチコロ!)。市内38店がエントリーする中で人気投票の結果、6位・銅賞に輝いた。今月結果が発表されると、区外からも受賞コロッケを求めて客が来店した。「ありがたいこと。いいきっかけだったと思う」と笑顔をみせる。堂々の入賞だが、「6位は悔しい。次があればまた出たい」と既にリベンジを心に決めている。
○…関内の飲食店でバーテンダーとしてアルバイトをしていた26歳の時、料理人を志した。ワーキングホリデー制度を利用してフランスへ。言語を学びながら現地の飲食店をまわり、修業先を探した。しかし、それまでの料理経験は自分の食事を作る程度。「料理をやったことがないのはネックだった」と苦労を口にする。3都市で1年半腕を磨き、今思うのは「縁に恵まれていた」。出会いへの感謝は絶えない。
○…元町のフランス料理店などでの勤務を経て、新大船商店街内に「vegetable kitchen菜」を開店したのは2年前。生まれ育ったまちでの開店を決めたが、所々シャッターが下りる商店街に昔のような活気はない。「開店予定地を見た銀行からも融資を渋られた」と、断念の二文字も頭をよぎる中見つけたのが、空き店舗を活用する人に開業経費の一部を支援する横浜市の「商店街空き店舗活用事業」。区内で初めて同制度を利用し、開店にこぎつけた。
○…近所のママ友グループや90歳を超える人など常連も多く、店内は賑わう。「お客さんとの距離が近い。第二の家のように喜んで来てくれるのが嬉しい」。ニューカレドニア産の天使の海老を使った「天使のパスタ」やガチコロ!入賞の「北あかりのコロッケ」は人気メニュー。「地域のニーズを考えた」と料理には地元産の新鮮な野菜がふんだんに使われている。料理で地域に笑顔と活気を―。挑戦はまだ始まったばかりだ。