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伊勢原 人物風土記

公開日:2012.06.01

5月23日付で伊勢原市商工会の会長に就任した
東井 克夫さん
東大竹在住 76歳

ドライバー1本で始まった



 ○…入会から24年目を迎え、伊勢原市商工会の第11代会長に就任した。自身が立ち上げた機械製造会社・千代田工業(株)はあらかた後進に譲り、昨年度まで6年間にわたって務めた工業会の会長も任期を終えて退いた。「これからは商工会長の仕事に集中していく。今は色々な所へあいさつに伺ったりして、ばたばたしちゃってるけどね」と額の汗をぬぐう。



 ○…石川県に生まれた。子どものころからスポーツが好きで、水泳やラグビーで体力と精神力を培った。大学進学を機に上京、電機工学を学んだ。「当時から将来は独立したいという夢を持っていた」と話すように、卒業後はまず製造会社に入り、そこで経験を積んだ。伊勢原へやって来たのはそれから20年後。会社の出向命令だった。その後49歳で独立、知り合いの工場に借りた四畳半ほどのスペースで起業し、現在は白根に社屋を構え従業員は24人を数える。「当時はお金も人脈もなく、あったのはドライバー1本だけだった。目標を達成しようという気持ちは大切なんだね」



 ○…厳しい経済状況のなか、会長として取り組むべき課題として、地域経済の活性化、産業基盤の整備、商工会の組織率向上などを挙げる。「市民の皆さんや、市長をはじめとする行政、関係団体など多くの方々と意見を交わしながら、一緒に協力して事業を推進していきたい」と意気込む。



 ○…6年前に心筋梗塞を患ったのをきっかけに、それまで吸っていたタバコをやめ、ダイエットで体重も落とした。現在も毎朝5時に起床し、自宅でフィットネスに励んでいる。「健康はとても大切だからね」と体のケアに余念がない。会長の任期は3年。「人生最後の大仕事だと思ってやり遂げる。やれば必ず答えは出るから」―。伊勢原の経済振興に身を捧ぐ、不退転の決意が見えた。

 

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