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旭区・瀬谷区 人物風土記

公開日:2012.05.10

横浜市旭区民文化センター サンハートの館長に就任した
佐藤輝一(きいち)さん
綾瀬市在住 60歳

「畑」違えど精を出す



 ○…4月1日付けで館長に。「サンハートは高齢者の利用者が多い。元気でありがたいが、もっともっと若い世代も来るような場所にしたい」。目標は稼働率100%。「たくさんの区民に利用してもらい、文化や芸術をどんどん発信していければ」と、改めて決意を胸にする。



 ○…高校卒業後、相模鉄道に入社。車掌や駅員を経験し、23歳で電車の運転士になった。「運転の初日は今でも覚えている。星川から二俣川までの各駅列車だった。『自分が乗客の安全を預かっているんだ』と思うと、身が引き締まった」と振り返る。「自分単純だから。かっこいい、じゃあなろう、と思って挑戦してきた」。免許取得のため、通常業務をこなしながらの試験勉強は夜中にまで及んだ。勉強が苦手で、「今まで社内で試験を受けた回数だけ落っこちた」と笑い飛ばす。「でも次は絶対と自分に言い聞かせて、とにかく頑張ってきたよ」



 ○…文化施設の館長は、今までの職種と「まったく畑違い」だ。「小学生のころ、美術や音楽が全然ダメだった。正直苦手分野だね」。それでも、今では館で開催される展示会に足を運び、文化団体や利用者などから話を聞き、知識を得るようになった。「今まで興味がなかった部分を、この歳になって新しく開拓している。いろんな方と触れ合えるし、知らなかった世界が見られてとても楽しい」。初めて知る芸術の素晴らしさに、今ではすっかり夢中だ。



 ○…趣味は畑いじり。300坪の畑を借り、休みの日は草刈りや野菜の世話に明け暮れる。栽培するのはトマト、ナス、シシトウ、玉ネギ、イチゴにジャガイモ…ととにかくたくさん。イチゴは多いときで、一度に200個ほど収穫できるという。「実家が兼業農家だった。昔は嫌だったけど、今はもっと聞いとけばよかったって後悔してるよ」。趣味の畑と仕事の畑。中身は違うが豊かな「実り」を期待し、精を出して耕す。

 

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