旭区・瀬谷区 人物風土記
公開日:2016.02.04
左近山地区の団地再生コンペティションで最優秀賞に選ばれた
熊谷 玄さん
小高町在住 42歳
生き方そのものが”仕事”
○…生まれ育ち、現在も居を構える地元の団地再生コンペティション。対象の整備地区は自身も子どものころに遊んでいた場所だ。「地元のコンペで賞をとれたことは素直にうれしい。でも、今はそれよりも責任感でいっぱい」と身を引き締める。専門家という立場でもあるが、れっきとした住民でもある。「死ぬまで住むと決めた街。地元の一員として参加したい」と意気込みを見せる。
○…中区でデザイン事務所「スタジオゲンクマガイ」を構える。商業施設や地域などを総合的に設計する、ランドスケープデザインを中心に、さまざまなデザイン業務を手掛ける。カップヌードルミュージアムなど横浜での活動も多く、最近では南万騎が原駅前広場のデザインも担った。今回のコンペは偶然インターネットで知ったが、「地元すぎて、ひるみました」と苦笑。「うまくいかなかったら、家族にも影響が出るかもしれない…」。そんな懸念もあったが、各地でまちづくりに携わってきた中、「自分が住んでる街をやらないでどうする」と気持ちを奮い立たせ、参加を決めた。
○…大規模で豊かな緑地を持つ左近山団地は、今ではできない恵まれた環境。その最大の魅力を生かし、「団地まるごと公園化」というテーマを提案した。「団地は均質なつくりで公平。でも、そこに個性を持たせることで目的地が生まれるんです」。今回のプロジェクトには、「目的地」となる仕掛けがたくさんある。「『公園の中に住んでいるんだ』と言えるような環境にできれば」と見据える。
○…建築家の父親の影響もあり、進んだデザインの道。中でも、「風景をつくる」という分野が一番自分に合っていた。「大それた目標はないけど、スタッフとともにデザインに取り組み、形にしていきたい」。デザインの仕事はプライベートとの境目がないという。「生き方そのものが仕事になる。楽しくやっていきたい」と笑顔で語った。
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