旧上瀬谷通信施設の土地区画整理と公園整備に関連し、横浜市が環境影響評価制度に基づく説明会を今月16日・17日に瀬谷公会堂、19日に旭公会堂で実施。両事業の計画概要や近隣の自然環境に与える影響、交通渋滞などについて説明した。3日間で延べ約110人が参加し、旭公会堂には地域住民ら約30人が訪れた。
同制度は、事業が環境に及ぼす影響を調査・評価して公表。意見募集などを通じ、適切な保全対策を検討する。調査・予測の手法を記す「方法書」、結果を記載する「準備書」などいくつかの段階がある。今回は土地区画整理が準備書、公園整備が方法書についての説明会だった。
市職員の説明によると、土地区画整理は跡地と隣接地およそ248・5ヘクタールが対象。テーマパークといった集客施設を整備する「観光・賑わい地区」、新しい都市農業モデルの拠点を造る「農業振興地区」、跡地と瀬谷駅周辺を結ぶ(仮称)都市高速鉄道上瀬谷ラインの「交通施設用地」などが設けられる。2022年度から工事に着手する予定。
公園は跡地内の南東に位置し、広さ約45・2ヘクタール。スポーツやアウトドアを楽しむ「みどりの賑わい・レクリエーションエリア」、体験学習などを行う「みどりの発信エリア」、自然観察や環境学習に取り組む「みどりの実践エリア」が計画されている。23年度以降に着工し、国際園芸博覧会(27年)の終了後に工事再開。全面開園は43年度頃の見通し。
説明会では土地区画整理の工事や構造物・車両走行が、周辺の大気・水・生物多様性などに与える影響も示された。また、土地の改変や構造物が海軍道路の桜並木などの快適性に変化を及ぼす予測があり、保全措置として桜並木などの創出を行うとした。交通混雑については、工事車両によって環状4号線と八王子街道の交差点で限界需要率を上回るため、ルート分散や運行時間管理などで低減させるという。
土壌汚染対策に不安の声
質疑応答では、跡地の国有地で防衛省が行った調査で、基準値を超える鉛などが見つかったことを受け、参加者が汚染土壌の除去の方法などに関して質問。市職員は「国に撤去を求めていくが、現状、国、市どちらが対応するか決まっていない。区画整理事業着手時に汚染土壌が残っている場合、市で行った費用は国に求める」と話した。そのほか、アセスの調査そのものや、各項目の目標値の定め方などの質問が上がり、担当者は「予測が難しいものも多数あるが、環境保全措置を講じることで、影響の軽減を図る」とした。
説明動画はYouTubeの横浜市公式チャンネル内で8月10日午後5時まで配信中。意見書の提出も8月10日まで。
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