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公開日:2025.12.19

全国学力・学習状況調査伊勢原市結果・分析
学力は全国・県と概ね同水準
自己肯定感など改善傾向

 伊勢原市教育委員会は、2025年4月に実施された「全国学力・学習状況調査」の同市における分析結果を12月2日に公表した。調査対象は市立小学校の6年生725人と中学校3年生654人。教科に関する調査(国語、算数・数学、理科)と、生活習慣や学習環境に関する質問調査が行われた。

 教科ごとの平均正答率については、「小中学校共に、全国及び神奈川県と比較して、正答数・正答率と大きな差は見られなかった」とし、一定の学力が維持されていることが確認された。

 各教科の分析では、特長と課題が明らかになった。小学校算数では、「伴って変わる二つの数量の関係に着目し、必要な数量を見いだすことができる」点などが特長として挙げられた一方、「目的に応じて適切なグラフを選択して出荷量の増減を判断し、その理由を言葉や数を用いて記述できる」点に課題が見られた。中学校理科においては、「気圧に関する身近な事象を問うことで、気圧の知識が概念として身に付いている」などの特長があったが、「塩素の元素記号を問うことで、元素を記号で表すことに関する知識及び技能が身に付いている」点などには課題が残った。

 児童生徒への質問調査では、肯定的な意識の変化が顕著となった。「自分にはよいところがある」と回答した割合は、前年度比で小学校が0・4ポイント、中学校が4・4ポイント増加。また、「学校に行くのが楽しい」と感じている児童生徒の割合も、小学校で3・7ポイント、中学校で6・1ポイント増加し、心理面での改善傾向がうかがえた。いじめに関しては、「どんな理由があってもいけないこと」という認識を持つ割合が増加した。一方で、依然として1〜2割程度の児童生徒が自己肯定感や学校生活への楽しさを十分持てていない現状もあり、継続的なケアが必要だとしている。

 生活習慣と学力の関係については、「朝食を毎日食べる」「毎日決まった時刻に寝起きする」といった基本的な生活習慣が確立している児童生徒ほど、正答率が高い傾向にあることが明らかになった。また、家庭学習において自分で学び方を工夫する習慣がある層も好成績を示した。ICT機器の活用については、授業での利用頻度は水準を維持している。市教委は今後、思考を深めたり意見を共有したりする場面での効果的な活用を推進する方針だ。

家庭との連携強化へ

 今回の分析を受け、市教委は各学校に対し、主体的・対話的で深い学びの視点からの授業改善を求めている。また、家庭に向けては「早寝早起き」などの規則正しい生活習慣の定着や子どもへの役割付与などを通じて、学ぶ意欲を支える環境づくりへの協力を呼びかけている。

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