横浜市瀬谷区にある「かんとう幼稚園」は、学校法人籾山学園が運営する施設。昭和41年に設立され、これまでに多くの卒園生を送り出してきた歴史ある幼稚園。現在の園庭は広々としていて多彩な遊具が並び、平成18年に完成したという新園舎は清潔感がある。

　10月と11月に予定される入園願書の配布・受付を前に、籾山英人園長・継田昌博副園長が語る教育理念と、その実践の場としての特色ある保育について話を聞いた。

子どもの「やってみたい」を育てる場

　同園が大切にしているのは、子ども自身の「やってみたい」という気持ち。この意欲こそが学びの原動力であり、達成感を通して育まれる自己肯定感が、さらなる挑戦への意欲を生むと考えている。

　その理念の背景には、子どもが自分で成長する力を持っていることを根底としたモンテッソーリ教育の考え方がある。同園はモンテッソーリ教育の理論を大切にしながら、より幅広い体験活動を通じて非認知能力を育むことへと保育の軸を広げている。

　「『子どもが選択し取り組み、達成する体験の繰り返しによって自立を促す』をベースに、今の時代に必要な非認知能力の育成に力を注いでいます」と籾山園長は語る。

非認知能力を伸ばす「環境」と「体験」

　園では特に子どもたちの「非認知能力」育成に力をいれている。「非認知能力」とは、テストの点数や偏差値などの"見える資質"ではなく、粘り強さ、協調性、創造性、自主性といった"見えない資質"を指す。同園はこの非認知能力の育成を目的に、次のような特色あるプログラムを取り入れている。

●モンテッソーリ活動

　年齢や発達段階に応じた教材を使い、自分で選んで取り組む「おしごと」の時間。針と糸を使った"縫いさし"、ネジ回し、スタンプ文字遊びなど、指先を使う集中活動を通じて、思考力や達成感を育てる。

●造形活動

　個人作品だけでなく、クラス全体で1つの作品を作り上げる集団造形も行われる。例えば、廃材を使ったジャングルジオラマや、ステージを飾る巨大なランプシェードなど。テーマ決めから素材集め、制作までを通して、協力する力や創造性を育む。

●リトミック・体操指導

　音楽に合わせた身体表現や、身体を使った運動遊びを通して、感性や身体的な基礎力を培う。諦めずにやりきる経験が、心身ともにバランスのとれた発達へとつながる。

●五感教育（自然体験など）

　近隣の自然スポットを利用し、土や植物、虫、水の感触や音、匂いに触れる活動も積極的に展開。植物から笛やシャボン玉をつくるなど都市部での生活では得にくい感覚体験を通して、豊かな感性と探求心を育てている。

幼稚園での学びから「人生を支える力」を

　毎年2月には園内全体を活用した「作品展」が開かれる。子どもたちの成長を実感できる一大イベントとなっている。季節ごとの個人作品から、クラス全体で創り上げるダイナミックな集団作品まで、保護者からも毎年高い評価を得ている。

　継田副園長はこうした体験を通し、園児のやりきる力、自分の意見を他の人に伝える力、創造力などの成長を感じているという。

　保護者からも「作品を通して、わが子の成長を感じた」「チームで一つの作品を作る力に驚いた」という声も多く、幼稚園生活の集大成として感動を呼んでいる。

２歳児・満３歳児クラスやプレ保育も

　5月より2歳児（ひよこ組）教室に在籍し、週2回保育を経験し、満3歳の誕生日の翌月より満3歳児（もも組）教室に入園することができる。通常の3年保育より早く入園できるため、少しずつゆっくりと幼稚園生活に慣れることができるという。

　また満２歳の誕生日の翌日から入園可能な２歳児教室（りす組）を設け、長時間の保育にも対応している。詳細は同園ホームページから。

入園説明会や願書配布や受付の日程

　同園の願書配布は10月15日(水)午前9時から、願書受付は11月1日(土)午前９時から。以下の画像はかんとう幼稚園の入園説明会など、参加できるスケジュールをまとめたもの。詳細は、ホームページで。

見学のお問い合わせは園に直接電話（045‐301‐5924）または関連リンクから。

人生の土台を幼児期から

　「知識の詰め込みではなく、"人としてどう生きるか"という根っこの部分を育てることが、これからの教育の土台になる」と籾山園長。かんとう幼稚園は、まさにその土台を丁寧に、確かな保育で築いている園だ。

　「当園でお子様の好奇心や協調性、やり抜く力など人生に大切な力を育むサポートができれば」と話した。