「葵と雅の会」発表会を10月9日に開く新日本剣詩舞創作舞踊「葵流」家元 葵 智吉(川村 照子) さん 中田東在住
俳優座の舞台が転機に
○…日本古来の伝統である武道と踊り、古典を盛り込んだ、剣や扇子を持ちながら詩吟の曲で舞う流儀が「新日本剣詩舞創作舞踊」。葵流の弟子は30人ほどで、さらに枝分かれした人も多い。参加年齢は10代から60代と幅広く、近隣のほか熊本県から年2回ほど参加する女性もいる。根下自治会館で週3回は最低行うという稽古は、洋服ではなく着物か浴衣が原則で「礼に始まり礼に終わる」。
○…長崎・佐世保で育ち、幼少のころから運動の一つとして母親から新舞踊を教わるも、本格的に始めるようになったのは20歳の頃。長崎で十八銀行の支店長をしていた父親の転勤を機に上京し、定年後に行くことが多くなった俳優座劇場で転機が訪れる。子どもの通行人を探していた舞台関係者から「元気がある子」として白羽の矢が立ち、東山千枝子、千田是也らと同じ舞台に立ったのだ。これをきっかけに、踊りの道を歩みだすことになる。
○…毎年秋に開催している日本伝統芸、日本舞踊「葵と雅の会」の発表会を10月9日に控える。15回目となる今回は被災者への「祈・復興・光」の気持ちを込め、東日本大震災チャリティーとして開催する。「遠くからですが、少しでも支援になれば」と、83演目のトリに『北国の春』と『上を向いて歩こう』の2曲を披露することにした。
○…横浜にぎわい座や品川、浅草など月に5〜6回は舞台に立つ。国立劇場や横浜能楽堂、イタリアのジャパンフェスティバル、諏訪太鼓と組んでベルギーで踊りを披露したこともある。様々な公演を通じ、「人間は一生のうち会うべき人には必ず会える。しかも、一瞬早すぎず、一瞬遅すぎない時に」という哲学者、教育者の森信三が語録集『一日一語』に残した言葉を実感し、大切にしてきた。今後は「洋を組み合わせた舞台、例えば横浜能楽堂でピアノやトランペットといった楽器の音色をバックに踊りたい」と夢を語った。
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