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泉区 人物風土記

公開日:2015.01.15

「いずみ寺子屋」の代表として知的障害のある子どもの放課後支援を行う
田中 光治さん
和泉町在住 75歳

遊びの中に教養を



 ○…個別支援学級に通う子どもをもつ保護者の声から生まれた「いずみ寺子屋」。「中学生になっても部活動に入れず、学校と家との往復になってしまう」と相談を受けた区社会福祉協議会と踊場地域ケアプラザが放課後の余暇活動として2004年に立ち上げ、当初からボランティアの一人として関わってきた。代表を務めて3年目。「1週間が早く感じる」。白い歯をのぞかせて話すその姿に、日々の充実感が伝わる。



 ○…野球に明け暮れた学生時代。電機メーカーに就職後も友人らとクラブチームを作り、自治会のソフトボールチームにも参加。50歳までボールを追いかけた。定年退職後は時間を持て余していたが、妻の妙子さんが行っていたボランティアに興味を持ったことが今日の始まり。「はじめは妻の後ろについていき、見よう見まねだった」。区内の障害者福祉ホームで散歩に付き添うものから始まり、登下校時の付き添いや教室での見守りなどを経験した。



 ○…寺子屋は月に2度、小学6年生から中学生までの約10人と、トランプをしたりピンポンをしたり。「一緒に遊ぶことが一番の目的なので、難しくは考えない」と話すが、一人ひとり特性が違う子どもとの接し方には悩むことも。「決められた教科書があるものではない。どの形がこの子にはベストなのかは、今も手探り」。娘を育てた経験から心掛けるのは、善悪の判断を理解させること。間違いは正し、いいことをした時はハグをする。単に遊ぶだけではなく「自宅で手伝いができるようになったと聞くと嬉しいね」。日々の小さな経験の積み重ねが実った時が、何よりのやりがいだ。



 ○…好奇心で始めたボランティアも10年が過ぎた。後継者不足という悩みは尽きないが、「自分にもまだできることはある」と前を向く。プライベートでは5歳の孫と遊ぶことが楽しみ。娘や孫と重ね合わせながら、一歩ずつ日々の活動を続けていく。

 

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