横浜市内を走る自動車専用の主要高速道路の一つ「第三京浜道路」で、自転車や歩行者が立入る事例が多発している。管轄する「NEXCO東日本・京浜管理事務所」では、進入者に危険を知らせる標識等の設置を急ぐ一方、地域ぐるみでの未然防止法や発見時の通報先などを周知。対策に乗り出している。
第三京浜道路の不正立入りについては、一部の箇所で料金所ゲートを通過せず「ランプ」と呼ばれる無人の走行レーンからアクセスできる構造上の問題などに加え、ETC普及に伴う無人レーンの増加等に比例する形で、増加傾向にある。
多発地点となっている都内の無人ランプ「玉川インターチェンジ」付近では昨年、160件の進入を確認。さらに横浜市内にも保土ヶ谷インターチェンジに向かう2カ所のランプ(三ツ沢公園そば、及び市民病院そば)が無人状態にあるため、同事務所では「横浜方面の数を加えれば件数は倍増するのでは」と分析する。中でも自転車の誤進入が7割近くに上るというデータもあり関係者は「実際、自分が誤進入している事に気付かず、そのまま走行してしまうケースが多い」と話す。
「4点セット」導入へ
自動車専用道路への立入りは、ドライバーにとっても予期せぬ事態となり重大事故を引き起こすため、同事務所では対策に着手。当該者の視覚と聴覚に引き返すよう訴える「ポール・路面標示」「標識・回転灯(ブザー)」(歩行者用、自転車用それぞれ)の設置を、今年3月末までに完了させる。またこれに「赤外線カメラ」を加えた4点セットでの「立入り検知システム」を早期に構築していく方針で、この対策を既に施した箇所では進入者の9割が間違いに気付きUターンするなど、実績を残している。
認知症歩行者の問題も
また近年は「道間違い」や「誤進入」といった従来の原因に加え「認知症の疑いのある高齢歩行者の立入り」も問題視されている。
この対策に関しては「ランプ付近を一人で歩いているお年寄りを見かけたら、ひと声掛けて頂くなど、地域の方々もぜひ協力して頂ければ」と呼び掛けるほか、こうした道路上での異常を発見・察知した際は「緊急通報ダイヤル(♯9910)」の活用などもPRしている。
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