10年以上に渡り猫の保護・里親探し活動を行う 伊藤 明美さん 和泉町在住 55歳
今は何よりも猫のために
○…伝えたいのは、野良猫への不妊・去勢の必要性。「エサやりをしている人と話をしてみると手術をさせていない人が多い。最初は1、2匹でも子猫が生まれて増えていけば他の人の迷惑になり得るし、心無い人に虐待される可能性も出てくる」と注意を呼びかける。インターネット上で野良猫の虐待事件を見て以来、野良猫を見付けては片っ端から保護し、不妊・去勢手術や里親探しを続けている。
○…里親探しのサイトや馴染みの動物病院の協力もあり、昨年は19匹を保護し、すべてが里親の元に旅立った。自宅はどの部屋も猫仕様で、自宅にいる猫の数は常時30匹以上。「今は猫のために働いているようなもの」。猫の鳴き声には敏感で、外で耳にするとつい姿を探してしまう。だが、活動の課題にエサや野良猫の手術などの費用がある。支援金を募っているものの、まだまだ足りない。「少しでも協力が得られれば助かります」と打ち明ける。
○…活動を始めるまでは、音楽やダンスの鑑賞に出かけることもよくあったが、今は何よりも猫優先。学生時代、専門的に学んでいたピアノも「今では猫の踏み台状態。もう中は毛だらけになってしまっているかも」。そう言いながらもどこか充実した様子を垣間見せる。自身のブログ「にゃぶ」では、猫の成長記録や里親募集などを掲載。たくさんの写真とともに猫への愛情が溢れる言葉が添えられている。時には、「手術さえしていれば、こんなことにならないのに」と子猫を遺棄する人への思いを静かに語ることもある。
○…泉区の人財バンクにも登録し、動物病院の紹介や捕獲器の貸し出しなど、保護に関する相談や里親探しなどにも協力している。「どんな事情であっても猫を捨てるということはしないでほしい。生きものを飼うには責任を持つべき」と強調する。悲しい思いをする猫がいなくなることを願い、今日も助けを求める猫の声に耳を傾ける。
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