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泉区 人物風土記

公開日:2016.03.10

3月19日から始まる全国大会に出場する「横浜オール泉野球クラブ」の監督
森 勝男さん
中田西在住 63歳

子どもたちをヒーローに

 ○…2006年2月に創設したクラブは、今年で10年の節目を迎えた。2度目の全国大会出場も決定。秋の大会でも優秀選手にクラブから4人が選ばれ、日本代表としてシドニーでの大会に出場する。練習中は厳しく活を入れるが、根底にあるのは、子どもたちに勝つ喜びを味わってほしいという思い。「意外な子がここぞというときにやってくれたりする」。打席では1対1。重圧もあるが、誰もがヒーローになれるチャンスが巡ってくると笑う。

 ○…野球の経験は20歳のころ、兄が作った草野球チームで5年ほどやっていた程度。「しかも補欠。自慢できるような過去ではないなあ。ただ野球が好きなだけ」と笑い飛ばす。息子と娘が少年野球を始めるとチームの運営や指導に携わるようになり、野球熱が加速。「抜けられなくなっちゃったよ」。名刺の裏には30年近く携わってきた地元の少年チーム「高砂スラッガーズ」の代表や区の連盟の理事など、野球に関する肩書がズラリと並ぶ。

 ○…旧深谷通信所にある専用グラウンドは米軍に申請し、10年秋から1年かけて完成させたもの。草むらの状態から選手や保護者らとともに草むしりや鍬入れなど、大規模工事以外はすべてマンパワーで作り上げた。昨年、同所が国に返還。練習場所がなくなる可能性もあったが、条件付きで市から利用許可をもらい練習を続けている。現在同所を利用する24団体で跡地の利用についても市へ提案などを行っている。

 ○…横浜市消防局に勤めており、警防を担当して40年。泊まり込みでの勤務のため、休みは1日おきにあるが、いつも一番に考えるのは野球のこと。誰もいないグラウンドでネットを直したり、準備をしたりと妻にも「あんた馬鹿だねえ」と言われるほど。「いやあ、普通はこんな生活許してくれないよ。理解ある女房と結婚できてよかった。子どもと楽しめたのもいい思い出」とほほ笑む。

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